[[PARAメソッド]]と[[エバーグリーンノート]]は、どちらも[[第二の脳]]を構築するための方法論だが、**異なる視点から情報整理にアプローチしている補完的な関係**にある。両者を統合することで、より強力な知的生産システムを構築できる。
## PARAメソッドとエバーグリーンノートの違い
### 整理の軸が異なる
| 観点 | PARAメソッド | エバーグリーンノート |
|------|-------------|-----------------|
| **整理の基準** | 行動への移しやすさ(アクショナビリティ) | 概念の成熟度とつながり |
| **時間軸** | 短期〜中期的なプロジェクト志向 | 長期的な知識の蓄積・育成 |
| **目的** | 今すぐ使える情報を見つけやすくする | 永続的な知識資産を構築する |
| **構造** | P/A/R/A の4階層 | ネットワーク構造(リンク) |
### PARAメソッド:「場所」による整理
- **P (Projects)**: 今取り組んでいる短期目標(期限あり)
- **A (Areas)**: 継続的に維持する責任領域(期限なし)
- **R (Resources)**: 興味のあるトピック
- **A (Archive)**: 非アクティブな情報
→ **「いつ使うか」「どこで使うか」を重視**した実用的な整理法
### エバーグリーンノート:「質」による整理
- [[BOATノート]]: 30%程度の完成度(メモ段階)
- [[エバーグリーンノート]]: 成熟したノート(知識資産)
- [[Maps of Content|MOC]]: ノートをつなぐまとめページ
→ **「概念の成熟度」と「他の概念とのつながり」**を重視した知識構造
## 両者は矛盾しない:相補的な関係
PARAとエバーグリーンノートは**別物として捉える必要はなく、組み合わせて使うべき**関係にある。
### 統合の考え方
```
PARA = 情報の「場所」を決める地図
エバーグリーンノート = 情報の「質」を高める方法
```
1. **PARAで情報を配置する** → どこに保存すべきかを明確化
2. **エバーグリーンノートで情報を育てる** → 質を向上させ、つながりを強化
3. **MOCで知識を構造化する** → PARAの各カテゴリーを横断する概念のまとめ
## 実践的な統合フレームワーク
### レイヤー1: PARAで情報を配置(整理システム)
まず、すべての情報をPARAで分類する。これは**フォルダ構造やタグ**として機能する。
```
Projects/
└─ [具体的なプロジェクト名]
Areas/
└─ [継続的な責任領域]
Resources/
└─ [興味のあるトピック]
Archive/
└─ [完了したプロジェクト等]
```
### レイヤー2: ノートの成熟度で管理(品質管理)
各ノート自体は、PARAの分類とは別に成熟度を持つ:
- **BOATノート**: 思いついたアイデア、読書メモ、会議メモなど(30%の完成度)
- どのPARAカテゴリーにも存在し得る
- まだ構造化されていない生の情報
- **エバーグリーンノート**: 練り上げられた概念、自分の言葉で整理された知識
- 主にResourcesやAreasに蓄積される
- 複数のProjectsから参照される再利用可能な知識
### レイヤー3: MOCで横断的につなぐ(知識構造化)
[[Maps of Content|MOC]]は、PARAのカテゴリーを横断して関連ノートをつなぐ。
- MOC自体はResourcesやAreasに配置される
- 複数のProjectsで共通して使う概念をまとめる
- エバーグリーンノート同士のつながりを可視化
## 具体的なワークフロー
### 1. 情報をキャプチャする(CODE: Capture)
新しい情報に出会ったら、まず**BOATノート**として作成:
- 心に響くものだけを保存
- 完成度30%で十分
- とりあえずResourcesかProjectsに配置
### 2. 適切な場所に配置する(CODE: Organize)
PARAの基準で分類:
1. どのProjectでもっとも役立つか? → Projects
2. どのAreaでもっとも役立つか? → Areas
3. どのResourceに属するか? → Resources
4. いずれでもない → Archive
### 3. 本質を抽出する(CODE: Distill)
時間をかけてノートを育てる:
- BOATノートを見直し、自分の言葉で書き直す
- 核となるメッセージを抽出
- 関連するノートへのリンクを追加
- エバーグリーンノートへと成熟させる
### 4. アウトプットに活用する(CODE: Express)
- Projectsで実際にノートを活用
- 複数のエバーグリーンノートを組み合わせてアウトプット
- プロジェクト完了後、汎用的なノートはResourcesに移動
### 5. MOCで知識を構造化する
- ノートが増えてきたらMOCを作成
- 特定のテーマに関連するエバーグリーンノートをまとめる
- MOCはAreaやResourceに配置
## まとめ:PARAとエバーグリーンノートの関係
PARAとエバーグリーンノートは**二者択一ではなく、レイヤーの異なる整理術**:
- **PARA = 水平方向の整理**(場所・用途による分類)
- **エバーグリーンノート = 垂直方向の成長**(質の向上・深化)
- **MOC = ネットワーク構造**(概念のつながり)
この3つを組み合わせることで:
- 実用性(PARA)
- 知識の永続性(エバーグリーンノート)
- 創発性(MOC)
を同時に実現できる、強力な[[第二の脳]]が構築される。
## 関連ノート
- [[PARAメソッド]]
- [[エバーグリーンノート]]
- [[BOATノート]]
- [[Linking Your Thinking]]
- [[Maps of Content]]
- [[知識はネットワーク構造をしている]]
- [[SECOND BRAIN(セカンドブレイン) 時間に追われない「知的生産術」]]