[[Engineering Manager (EM)]]の役割は多岐にわたるが、専門性や強みの観点から大きく3つのタイプに分類できる。これらのタイプは排他的ではなく、多くのEMは複数のタイプの要素を持つ。組織として3人のEMがいる場合、それぞれが異なるタイプの強みを持つことで相互補完的なチームを構築できる。
## 全EMに共通する基盤的役割
どのタイプであっても、以下の基盤的役割は全EMが担う。
- **ステークホルダーマネジメント**: PM、デザイナー、経営陣との調整・コミュニケーション
- **プロジェクト/プロダクトマネジメント**: 開発計画策定、進捗管理、リスク管理
- **チーム運営実務**: 日常運営(スタンドアップ等)、コミュニケーション促進、課題解決
## 3つのタイプ
### 1. People-Focused EM(人軸特化型)
**専門役割**
- 個人成長支援、エンゲージメント向上
- 心理的安全性確保
- 採用・チームビルディング
**KPI例**
- エンジニア満足度・エンゲージメントスコア
- 離職率・定着率
- 個人目標達成率・スキル成長度
- 採用成功率・オンボーディング完了率
**アプローチ**
- 着眼点: 個人のポテンシャル最大化
- 論理: 個人が成長し、エンゲージメント高く働けば → チーム全体の成果が上がる → 事業価値向上
### 2. System-Focused EM(仕組み軸特化型)
**専門役割**
- 組織プロセス最適化、生産性向上
- リソース可視化
- 課題分析・改善
**KPI例**
- 開発効率指標(Lead Time、Deploy Frequency等)
- 組織課題の解決件数・解決スピード
- プロセス改善による工数削減効果
- リソース稼働率・配分最適化度
**アプローチ**
- 着眼点: 組織の仕組み・プロセス最適化
- 論理: 効率的な開発プロセス・透明性の高い組織 → 開発スピード・品質向上 → 事業価値向上
### 3. Business-Focused EM(事業軸特化型)
**専門役割**
- 戦略的リソース配分、事業インパクト最大化
- 技術負債管理
- ROI向上
**KPI例**
- 事業KPIへの技術貢献度
- 技術負債削減率・ROI
- 戦略的プロジェクトの成功率
- リソース配分による事業成果向上度
**アプローチ**
- 着眼点: 事業インパクトへの直接貢献
- 論理: 戦略的なリソース配分・技術投資 → 事業成果の最大化 → 持続的成長
## EMの共通ゴール
**「エンジニア組織が持続的に事業価値を最大化できる状態を作ること」**
これを分解すると:
- エンジニアが高いパフォーマンスを発揮できている
- 組織として効率的・効果的に動けている
- 事業の成長に技術が貢献できている
- これらが継続可能な形で実現されている
## 採用・チーム構成への活用
EMを複数人採用する場合、以下の観点で活用できる:
1. 現EMの3軸評価を実施
2. 組織の現在の課題を特定
3. 最も不足している領域から優先的に採用
4. 3人で相互補完的な構造を作る
## 関連ノート
- [[Engineering Manager (EM)]]
- [[Engineering Management Triangle]]
- [[マネージャーの仕事]]