- https://blog.shojimiyata.com/entry/2019/12/03/132635 # 権限移譲する技術(権限委譲の技術)の要約 こちらの記事は、SmartHRの社長である宮田昇始氏が権限移譲(権限委譲)について書いたものです。宮田氏は自身の得意な技術として権限移譲を挙げており、CTOの芹澤氏からも評価されているポイントです。 ## 宮田氏の権限移譲の実例 起業前はWebディレクターとしてプロダクト開発に強いこだわりを持っていた宮田氏ですが、SmartHR公開から半年後には、プロダクト開発に関わるほぼすべての権限を移譲し、開発会議にも出なくなりました。さらに1年半後には、COOの入社をきっかけにビジネス側のトップとしての役割もほとんど手放しました。その結果、4年で3名の会社から170名規模にまで成長しました。 ## 権限移譲のための7つのヒント 1. 自分より専門家を採用する - 自分より全ての面で優れた人を探すのではなく、特定分野で自分より専門性が高い人を採用する 2. ToDoではなくイシュー(課題)を渡す - 優秀な人はToDoより課題を解決する方が能力を発揮する 3. 決定権を渡していることを繰り返し伝える - 「あなたが決めていい」と明確に伝える 4. 仕事の過程をチェックしない - 口出ししたくなる誘惑を抑え、求められたときだけ見る 5. 役割を周囲に周知してあげる - 権限移譲された人が動きやすくなるよう、周囲に役割を説明する 6. 障害になりそうなことを取り除いてあげる - 特に新入社員には1on1などで障害を聞き出し解決を手伝う 7. 成果が出たらホメる - 多くの人が見ている場所で評価し、本人の自信と周囲からの認知を高める ## 権限移譲の失敗談 宮田氏は営業チームへの関与しすぎた時期があり、営業会議が形骸化し売上も伸び悩みました。自身が営業が苦手だったにもかかわらず権限を手放せなかったのが原因でした。営業会議への参加をやめると、議論が活発になり売上も急成長したという経験から、専門性が高い人に任せることの重要性を再認識しました。 ## まとめ 急成長するスタートアップにとって権限移譲は不可欠です。事業の成長とともに仕事は増えていくため、同じことをし続けていては組織はスケールしません。最初は勇気が必要で失敗もあるかもしれませんが、権限移譲ができないチームには大成功は訪れないと宮田氏は強調しています。