## Summary この書籍は、中国明代の儒学者、呂新吾が記した『呻吟語』の現代語訳です。人生訓、処世術、君子のあるべき姿などが説かれています。 **要約:** * 人生の指針となるような、様々な教訓が示されている。 * 個人の修養だけでなく、リーダーシップ、組織運営、社会生活についても言及されている。 * 具体例を交えながら、わかりやすく解説されている。 **キーワード:** * 忍耐、沈着冷静、深慮、実行力、責任感、修養、見識、徳、才能、学問、幸福、逆境、順境 **詳細:** * どっしりとした落ち着きと深みのある人格が理想とされる。 * 法律よりも道理を重んじるべきである。 * どんなことでも、じっくりと取り組めば必ず達成できる。 * 自分の長所をひけらかさず、他人の短所をあげつらわない。 * 禍と福は、忍耐と激しさによって左右される。 * 社会人として成功するためには、幼稚な心を捨て去ることが重要。 * 怠惰は万事を破滅させる。 * 親孝行は、親の心を満たすことが最も大切。 * 年長者の言葉には耳を傾けるべき。 * 何事にも執着せず、欲望をコントロールする。 * 行動と発言は、時と場合に応じて適切に判断する。 * 困難な状況においてこそ、真の人間性が試される。 * 才能や学問は、社会に役立てるために使うべき。 * 人のいやがることは言わない、しない。 * リーダーは徳と能力を兼ね備え、部下を適切に活用する。 * 人生はマラソンのように、ペース配分が大切。 * 物事を始める前によく考える。 * 順境よりも逆境に対処するほうが難しい。 * 聖人は、人々に無理強いせず、やる気を引き出す。 * 人を見下す態度は、必ず反発を招く。 * 見た目は穏やかでも、内面に強い意志を持つ。 * 君子は泰然自若として驕らない。 * 他人に善行を譲り、失敗の責任は自分が取る。 * 不幸のないことが最大の幸福。 * 困難な状況でも、心は常に安らかであるべき。 * 行き詰まったら、すぐに引き返す勇気も必要。 ## Metadata * Author: [呂 新吾、守屋 洋](https://www.amazon.comundefined) * ASIN: B00BG3ZNIY * Reference: https://www.amazon.com/dp/B00BG3ZNIY * [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY) ## Highlights どっしりと落ち着いて深みのある人物、これが第一等の資質である。積極的で細事にこだわらない人物、これは第二等の資質である。頭が切れて弁の立つ人物、これは第三等の資質にすぎない。 — location: [171](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=171) ^ref-41875 --- 法律に触れるような罪を犯しても、まだ逃れる道はある。だが、道理に反するような罪を犯したのでは、身の置き所がなくなってしまう。なぜなら自分の心が自分を許してくれないからである。  だから君子は、法律よりもむしろ道理を恐れるのだ。 — location: [218](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=218) ^ref-10681 --- じっくりと気持を沈潜させることができれば、どんな道理でも究めつくせないものはない。やらんかなの気概を奮い起こすことができれば、どんな事でも成し遂げられないものはない。 — location: [241](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=241) ^ref-22244 --- 「だが、現代の人間は浮わついた心で道理に接し、萎縮した心で仕事に向かっている。これでは、なんらなすところなく、ぼんやりと一生を終わってしまう」 — location: [258](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=258) ^ref-10359 --- 自分の長所は、なるべくひけらかさない。そうすれば、懐の深い人間になることができる。  他人の短所は、できるだけあばかない。そうすれば、器の大きい人間になることができる。 — location: [261](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=261) ^ref-18860 --- 忍 激 の 二字 は、これ 禍福 の 関 なり。(存心篇) — location: [285](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=285) ^ref-56038 --- 一人前の社会人となるうえで、もっとも大きな障害となるのが「童心」である。これさえ捨て去ることができれば、それだけで立派な人物になることができる。 — location: [299](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=299) ^ref-64228 --- 呂新吾は、「童心とは何か」と問われて、こう答えている。 「凡そ 炎熱 の 念、 驕矜 の 念、 華美 の 念、 速 かならんと 欲するの 念、 浮薄 の 念、 声名 の 念 は、 皆 童心 なり」 — location: [311](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=311) ^ref-29102 --- 一、おれがおれがとしゃしゃり出る心  一、地位や能力を鼻にかけて人を見下す心  一、きらびやかなことにあこがれる心  一、功をあせっていら立つ心  一、浮わついた薄っぺらな心  一、名声をほしがる心  この六つのことを「童心」としてあげているのである。 — location: [318](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=318) ^ref-58597 --- 「怠 なれば 則 ち 苟 めにす。 苟 めにせば 則 ち 万事 れ 頽 る。 天子 より 以 って 庶人 に 至るまで、 此 の 如くならざるはなし」 — location: [335](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=335) ^ref-44611 --- 気持がだらけていれば、どうしても仕事の手を抜くようになる。手を抜けば、あらゆることが失敗に終わる。これは天子から庶民に至るまで、一人の例外もないのだという。 — location: [340](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=340) ^ref-40874 --- 子として親に仕える場合、親の心をいたわるのが最高の仕え方である。その次は、親の体をいたわること。最低は、体だけいたわって心をいたわらないことだ。だが、それよりもさらに悪いのは、うわべだけ飾って体さえいたわってやらないことである。 — location: [351](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=351) ^ref-56333 --- 先輩たちの語ることは、仮にたわいのない雑談だとしても、後輩にとっては、なにがしかでも、学べることがあるはずだ。黙って耳を傾けていれば、それだけ賢い人間になることができるではないか。  してみると、先輩たちと同席して話を聞けるのは、目下の者にとってはまたとない勉強の場でもあると心得たい。 — location: [388](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=388) ^ref-35126 --- この世の中には、ひとつとして執着すべきものはない。生まれたときからその中で暮らしてきたので、これからも共に暮らしていかざるをえないだけのことだ。そんな物に執着してはならない。執着すれば、そこからとめどもない欲望が生じ、そのあげく悩みの尽きるときはないであろう。 — location: [416](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=416) ^ref-49326 --- 行動については、実行すべきときには実行し、自制すべきときには自制する。発言については、主張すべきときには主張し、沈黙すべきときには沈黙する。これが君子のたしなみだ。そうすれば、後悔することも少なくなる。 — location: [439](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=439) ^ref-15719 --- 次は発言である。  私どもには寡黙をよしとする伝統があって、自己主張を苦手としてきた。これは日本ならではの美徳と言ってよい。  問題は、こちらの考えや言い分を相手に伝えなければならないときである。そんなときには、 訥弁 でもいいから、筋道を立てて、しっかりと主張する必要がある。  たとえば交渉の席についたときである。相手がまくし立ててきたら、こちらも 怖 めず 臆 せず反論しなければならない。  私どもはなまじ寡黙なるがゆえに、これを苦手としてきた。これからの課題として、この弱点を克服していきたい。 — location: [455](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=455) ^ref-22288 --- 大きな事件や困難な問題にぶつかったときに、どの程度の責任感を持っているかがわかる。逆境や順境にあるときに、どの程度の襟度を持っているかがわかる。喜びや怒りがこみあげたときに、どの程度の修養を積んできたかがわかる。集団で行動しているときに、どの程度の見識を持っているかがわかる。 — location: [466](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=466) ^ref-57593 --- 鋭い切れ味は十分に磨いておかなければならない。ただし、内に秘めておっとりと構えている必要がある。昔から禍をこうむるのは、十人のうち九人が切れる人物であった。おっとりとした人物で禍をこうむった者は一人もいないのである。 — location: [488](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=488) ^ref-18611 --- ▼『 尉繚子』という兵法書にこんなことばがある。 — location: [522](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=522) ^ref-52754 --- 「善く 将 たる 者 は 愛 と 威 とのみ」 — location: [524](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=524) ^ref-45150 --- 一、「威」については追い撃ちをかけないこと。「威」に服している相手にダメ出しをすれば、離反を招く恐れがある。  一、「愛」については、えこひいきを避けること。そんなことをすれば、みずから組織の統制を乱すことになる。 — location: [532](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=532) ^ref-47937 --- 主張すべきときには、一言一言に気迫をこめて主張する。それでいて、感情を高ぶらせて粗雑になることもない。弁論としては、これが最高である。  これ以外の場合は、ひたすら沈黙を守ったとしても、いっこうに差し支えない。 — location: [536](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=536) ^ref-1535 --- できるだけ説得力のある話し方をしたいところだが、そのためにはどんな話し方をすればよいのか。これはその心得の条である。  一、一言一言、 みしめるように話す。ぺらぺら能弁にまくしたてるような話し方は避けたい。  一、感情的になってはならない。冷静に情理を尽くし、丁寧に説明する。 — location: [551](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=551) ^ref-8290 --- ただし、現役の世代について言えば、心配なのはむしろ使い過ぎることである。私にも身に覚えがないわけではない。 『呻吟語』も「 自 から過ぐるべからず」と語っている。「無理を重ねたな」と思ったら、しっかりと休養をとって体調をととのえ、次の仕事に備えたい。 — location: [580](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=580) ^ref-37796 --- 貧しいからといって恥じる必要はない。恥ずべきは、貧しくして志のないことである。地位が低いからといって卑下する必要はない。卑下すべきは、地位が低くて能力のないことである。年老いたからといって嘆く必要はない。嘆くべきは、年老いて目的もなく生きていることである。 — location: [585](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=585) ^ref-6339 --- 批判には耳を傾けなければならない。批判する相手がどんな人間であろうと、それは問う必要はない。批判を受ける原因が残っているかぎり、その相手が言わなかったとしても、必ず他の者が口にするであろう。批判を受け入れて改めれば、間接的に一人の先生を得たことになる。 — location: [607](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=607) ^ref-18537 --- 発言するとき、もっともいけないのは事実を曲げることである。仕事に取り組むとき、もっともいけないのは、弱い者を踏みつけにすることである。心の持ち方で、もっともいけないのは温かい配慮に欠けることである。 — location: [630](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=630) ^ref-31093 --- これについては孔子も「 徳 は 孤 ならず、 必ず 隣 あり」と語っている。徳のある人物は孤立しない。必ず共鳴者が現われてくるのだという。 — location: [646](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=646) ^ref-15955 --- 君子は、知らなければならないことは知っているが、知ってはならないことまで知ろうとはしない。知らなければならないことを知らないのは、愚かである。知ってはならないことまで知ろうとするのは、無用な詮索である。 — location: [651](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=651) ^ref-10826 --- 怠け心が生じたときに、どの程度自分を磨いてきたかが試される。手を抜きたくなったときに、どの程度自分の行動を反省してきたかが試される。喜びや怒りがこみあげてきたときに、どの程度修養を積んできたかが試される。困難にぶつかったときに、どの程度の力量を持っているかが試される。 — location: [670](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=670) ^ref-37454 --- 「そもそも才能や学問を身につけるのは、むずかしいことではない。むずかしいのは、それをどう使うかである。君子が才能や学問を重視するのは、社会人として世に出るためであって、それを鼻にかけるためではない。社会のために役立てるためであって、人にひけらかすためではない」 — location: [700](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=700) ^ref-52816 --- 「君子 はその 独りを 慎むなり」 — location: [722](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=722) ^ref-2706 --- 相手のいやがっていることを指摘してはならない。相手の欠点を数えたててはならない。相手に逆らってはならない。ぶっきらぼうな言い方をしてはならない。くどくどお説教してはならない。同じことを繰り返してはならない。 — location: [736](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=736) ^ref-51759 --- 立派な仕事を成し遂げるには、まず自分がどの程度の徳と能力を持っているかを考え、そのうえで、物事の勢いを見きわめ、適材適所に部下を使う必要がある。 — location: [755](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=755) ^ref-14185 --- では、なぜ徳なのか。これがあることによって周りの信頼が得られるのである。能力だけで突っ走ると、足をすべらす恐れがある。そこを補強してくれるのが徳であって、これを軽視することは許されない。 — location: [764](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=764) ^ref-60570 --- 人生も然りである。  ここが正念場というときには、鞭をくれて全力疾走に移らなければならない。だが、ふだんは、あせらず、あわてず、じっくりと完走を心がけたいのだという。 — location: [794](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=794) ^ref-29635 --- しかしまた人生は短いのである。あまりにものんびり構えていると、今度は何事も成しえないまま一生を終わってしまう。  そのあたりの兼ね合いがむずかしい。 — location: [796](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=796) ^ref-18352 --- 当面の問題を論じるときには、当面の対策をとりあげなければならない。過去に言及する必要はないし、遠い先のことまで考える必要もない。それらについて、どんなに詳しい論を展開したとしても、当面の問題を解決するには、なんの足しにもならないのである。 — location: [823](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=823) ^ref-18625 --- 一、ゆったりと構えるとはいっても、何もしないで手を 拱いていることではない。情報の収集につとめて事態を把握し、必要な対策を講じていくのだ。こういう点で後れをとってはならない。  一、ゆったりと構えていながら、勇気 凜 々 と立ち向かっていく気迫を秘めていたいのだという。つねに指揮官先頭の覚悟を忘れてはならないということだ。 — location: [887](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=887) ^ref-30587 --- 君子はバカ正直を評価しない。やたら汚い駆け引きを使うのは考えものだが、人生を生きていくための駆け引きくらいは、当然身につけておく必要がある。 — location: [894](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=894) ^ref-61041 --- これはよい駆け引きであって、身につけておかないと、ただの「いい人」になってしまう。 — location: [907](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=907) ^ref-36762 --- やってしまったことを悔やむよりも、始めから慎重に対処したほうがよい。遠い先のことを悔やむよりも、すぐにでも考えを改めたほうがよい。いたずらに悔やんでいても、なんの役にも立たないのである。 — location: [914](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=914) ^ref-44555 --- 食事は、 まないで呑みこんではならない。道路は、下調べもしないで歩き出してはならない。人間は、相手も選ばないで交際してはならない。発言は、よく考えもしないでまくしたててはならない。物事は、深く考えもしないで始めてはならない。 — location: [955](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=955) ^ref-18316 --- 前方の千里を見通すよりは、背後の一寸先を見るほうがむずかしい。  高い所から全体を見わたすのはまだやさしい。客観的に見るのがむずかしいのである。見えるものを見るのはまだやさしい。見えないものまで見るのがむずかしいのである。 — location: [994](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=994) ^ref-64503 --- 富貴は家を滅ぼす元、才能は身を滅ぼす元である。また、名声は非難を招く元、楽しみは悲しみを招く元である。順境に対処するのがむずかしいのは、そういう理由にほかならない。 — location: [1038](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1038) ^ref-18369 --- 聖人は常に勢いに逆らい、あえて従おうとしない。なぜなら、人間社会のもろもろの事態に対処するには、そうあるべきだと心得ているからである。 — location: [1127](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1127) ^ref-18382 --- 聖人は、他人に対してあまりむずかしいことは強要しない。ただ、相手が自然にやる気を出すように仕向けてやるだけなのである。 — location: [1169](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1169) ^ref-55303 --- 「士気」、つまりやらんかなの気概はなくてはならないものだが、「傲気」、つまり人を見下す気持はあってはならないものだ。 士気 はなかるべからず。 傲気 はあるべからず。(品藻篇) — location: [1189](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1189) ^ref-49715 --- 「傲気」がなぜまずいのか。二つある。  第一は、人を見下すような態度をちらとでも見せると、必ず周りの反発を買う。その人が昇り調子のときはまだいい。勢いがあるから、一応周りの反発を押さえることができる。  だが、一度落ち目になると、そういう反発が表に吹き出してきて、つまらないところで足を引っ張られる。  第二は、狭い世界でふんぞり返っていると、お山の大将になって自分の進歩を止めてしまう。「井の中の蛙、大海を知らず」という もあるではないか。 — location: [1197](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1197) ^ref-34600 --- 一、見たところ穏やかだが、内面には強い意志力を秘めている。 — location: [1237](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1237) ^ref-63132 --- 大人 は、 言 必ずしも 信 ならず、 行 必ずしも 果 ならず、 惟 だ 義 の 在る 所 のままなり」 — location: [1242](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1242) ^ref-53978 --- ゆったりと構えているが、機敏な対応をする。あわただしいときでも、冷静さを失わない。大まかでありながら、手を抜かない。温かみがありながら、卑屈ではない。深みのある人柄だが、腹黒くはない。毅然としているが、厳しすぎない。行きとどいているが、細かいことまで目くじらを立てない。 — location: [1252](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1252) ^ref-6578 --- 一、いつもゆったりと構えているのだが、決断が早く、対応も素早い。  一、仕事に追われているときでも、あわてず騒がず、冷静に対処する。  一、一見、大まかではあるが、押さえるところはしっかりと押さえ、締めるところはしっかりと締めている。  一、温かい人柄で人当たりはいいのだが、ご機嫌とりをして、やたらへいこらするようなことはしない。  一、懐が深くて何を考えているのかわかりにくいのだが、けっして腹黒くはない。  一、強い意志力を秘めているのだが、だからといって、人を踏みつけにしたり、人を泣かせたりするようなことはしない。  一、よく気がまわるのだが、だからといって、どうでもいいような細かいことまで 咎め立てしない。 — location: [1266](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1266) ^ref-1219 --- こつこつと真面目に仕事をする人物や、今までのしきたりに忠実な人物は、泰平の時代なら、ある部署の仕事をまかせれば立派に職責を果たすことができる。 — location: [1359](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1359) ^ref-45877 --- だが、困難な問題を解決したり、危険を犯して変化に対応するときには、常識的な人よりも、型破りの人物を起用したほうがよい。 — location: [1361](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1361) ^ref-46259 --- 「速 かなるを 欲するなかれ。 小利 を 見るなかれ。 速 かならんと 欲すれば 則 ち 達 せず。 小利 を 見れば 則 ち 大事 成らず」 — location: [1402](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1402) ^ref-45130 --- 「威」をうまく使う人物は、めったに怒りをあらわさない。「恩」をうまく施す人物は、やたら施さない。 善く 威 を 用 うる 者 は 軽 がるしく 怒らず。 善く 恩 を 用 うる 者 は 妄りに 施さず。(治道篇) — location: [1458](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1458) ^ref-33121 --- 賢人は一つの味しか持っていないのに対し、聖人は五つの味を持っている。一つの味しか持っていない人物は、ある一つのことに執着し、その見方も片寄っている。 — location: [1496](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1496) ^ref-17991 --- 人の上に立つ者にとって、最も好ましくないのは、器量の小さいことと、見識の低いことである。 人 の 上 たる 者 は、 最も 器 局 小 に、 見識 俗 ならんことを 怕 る。(治道篇) — location: [1542](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1542) ^ref-64953 --- 物事が極点にまで達すると、必ず反動が起こる。そこまで達しないと、反動は起こらない。  愚者は、極点に達したことを喜ぶが、智者はむしろその反動を恐れる。 — location: [1605](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1605) ^ref-18141 --- とりあえずは調整や補修にとどめておけという意見にも、それなりの説得力がある。  だが、根本が体制疲労に陥って腐れかけているとなれば、話は別である。根本から建て直さないことにはどうにもならない。改革には慎重であったらしい呂新吾もそれは認めていて、「時には断固改革しなければならないこともある」と語っている。 — location: [1644](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1644) ^ref-11168 --- 上級者に進言する場合、むずかしいことが四つある。  一、相手を知ること  一、自分をわきまえること  一、問題を把握すること  一、時期を誤らないこと  このうち一つでも欠けていたのでは成功しない。 — location: [1651](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1651) ^ref-16021 --- 「君子は 泰 にして 驕らず、小人は 驕りて 泰 ならず」 — location: [1682](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1682) ^ref-12122 --- 善行は他人に譲り、失敗の責任は自分で引き受けるほうが、はるかに優っている。 — location: [1716](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1716) ^ref-53287 --- 不幸のないのが、何よりも幸せである。幸せを手に入れようとあくせくするのは、何よりも大きな不幸である。 — location: [1738](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1738) ^ref-24140 --- 福 は 禍 なきよりも 大 なるはなし。 禍 は 福 を 求むるよりも 大 なるはなし。(人情篇) — location: [1739](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1739) ^ref-25840 --- 厳しい困難にぶつかっても、心は安らかである。不遇に甘んじていても、心は満ち足りている。逆境に突き落とされても、心は晴ればれとしている。こうであれば、どんな境遇に陥っても、落ち着いて対処することができる。 患難 の 時 を 以 って 心 は 安楽 に 居り、 貧賤 の 時 を 以 って 心 は 富貴 に 居り、 屈局 の 時 を 以 って 心 は 広大 に 居れば、 則 ち 往くとして 泰然 たらざるはなし。( — location: [1753](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1753) ^ref-19877 --- 見込みがないと見たら、すぐに引き返してきたほうがよい。だが、それよりも、行くまえに詳しく調べてから出発したほうが、はるかに優っている。 遠からざるの 復 は、いまだ 行なわざるの 審 かなるに 若かず。(広喩篇) — location: [1846](kindle://book?action=open&asin=B00BG3ZNIY&location=1846) ^ref-44963 ---