## Summary
この本は、他者への「与える」行動に焦点を当て、人間関係におけるギバー(与える人)、テイカー(受け取る人)、マッチャー(バランスを取る人)という3つのタイプを分析し、成功と幸福への影響を考察しています。
**要約:**
一見すると損をしているように見えるギバーが、長期的に見ると最も成功する可能性が高い。ただし、与え方を間違えると燃え尽きてしまうため、他者志向的なギブが重要となる。
**キーワード:**
ギバー、テイカー、マッチャー、他者志向、自己犠牲、成功、幸福、人間関係、ネットワーク、交渉、影響力
**詳細:**
* **3つのタイプ:** 人はギバー、テイカー、マッチャーの3タイプに分類できる。テイカーは常に受け取ることばかり考え、ギバーは与えることに喜びを感じ、マッチャーはバランスを重視する。
* **成功するギバー:** 自己犠牲ではなく、他者志向性を持つギバーが成功する。他者の幸せのために高い成果を出すことに意義を見出すことで、ギブが犠牲ではなくなる。
* **ギバーの成功要因:** 人脈づくり、協力、評価、影響力において独自のコミュニケーション法を用いる。休眠状態の人脈を再活性化させる「リコネクト」も得意とする。
* **ギバーの落とし穴:** 与えすぎると燃え尽きてしまう危険性があるため、他者志向的に与えることが重要。
* **他者志向的ギブ:** 自分の利益も見失わず、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を戦略的に考える。
* **ギバーの燃え尽き対策:** 周囲からのサポートを受ける、まとめて与える、年間100時間程度のボランティア活動に留める、などが有効。
* **テイカーへの対処法:** マッチャー戦略を取り、ギブ・アンド・テイクのバランスを取る。
* **交渉におけるギバー:** 相手の立場に立って考えることで、Win-Winの交渉を成功させる。
* **与える行動の促進:** 人は他者の行動に影響されるため、与える行動を可視化することで、周囲の人も与えるようになる。
## Metadata
* Author: [アダム・グラント、楠木 建](https://www.amazon.comundefined)
* ASIN: B00IRV39FM
* Reference: https://www.amazon.com/dp/B00IRV39FM
* [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM)
## Highlights
著者の議論の基底にあるのは、「ギバー(与える人)」「テイカー(受けとる人)」「マッチャー(バランスをとる人)」 という、人間の思考と行動の三類型だ。 — location: [16](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=16) ^ref-16041
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実にシンプルな分類だが、これがなかなか奥深い。字面だけだと誤解する恐れがあるので要注意。 — location: [17](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=17) ^ref-56226
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三つのタイプの本質的な違いを理解するためには、それぞれのタイプの意図や行動を時間軸において見るのがよい。ポイントは、ギブとテイクのどちらが先に来るかということだ。 — location: [25](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=25) ^ref-56075
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成功するギバーは、「自己犠牲」ではなく、「他者志向性」をもっている。 他者志向性とは、たとえばチームで仕事をするときに、自分の取り分を心配するのではなく、みんなの幸せのために高い成果を出す、そこに目的を設定するということだ。 — location: [116](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=116) ^ref-3746
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要するに、自分がその仕事をせずにはおれないという“意義”がポイントだ。 「自分にとって意義のあることをする」 「自分が楽しめることをする」 — location: [122](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=122) ^ref-62499
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この条件が満たされれば、ギバーは他人だけではなく、自分にも「与える」ことができる。自分が認識する「意義」のもとに、他者と自己が一体化するからだ。他者に対する共感と愛着が生まれる。こうなると、ギブはもはや犠牲ではない。何のことはない、真のギバーはギブすることによって他者のみならず、意義に向かって仕事をする自分自身を助けているのである。だから自然とギブするという成り行きだ。 — location: [124](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=124) ^ref-8804
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「テイカー」は常に、与えるより多くを受けとろうとする。 — location: [315](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=315) ^ref-29004
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ギバーはギブ・アンド・テイクの関係を相手の利益になるようにもっていき、受けとる以上に与えようとする。 — location: [323](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=323) ^ref-62123
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テイカーが自分を中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う。 — location: [326](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=326) ^ref-41544
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与えることと受けとることのバランスをとろうとする「 マッチャー」だ。 — location: [339](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=339) ^ref-51299
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相互関係には、基本的にギバー、テイカー、そしてマッチャーの三タイプがあるわけだが、この三つの線引きは厳密なものではない。人は自分の役割や相手との関係によって、この三タイプを使い分けるからだ。 — location: [342](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=342) ^ref-8356
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仕事においては、この三タイプはどれもそれぞれにメリットとデメリットがある。 — location: [349](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=349) ^ref-47185
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ギバーは成功から価値を得るだけでなく、価値も生み出す。それがテイカーやマッチャーと違っている — location: [439](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=439) ^ref-20791
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与えることが望ましい結果を生むかどうかは、その「与え方」にもよるの — location: [544](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=544) ^ref-36749
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「ギバーであることは一〇〇メートル走では役に立たないが、マラソンでは大いに役立つ」 — location: [554](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=554) ^ref-29759
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成功しているギバーは、四つの重要な分野──人脈づくり、協力、人に対する評価、影響力──で、独自のコミュニケーション法を用いる。 — location: [737](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=737) ^ref-40730
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「自分にまったく利益をもたらさない人間をどうあつかうかで、その人がどんな人間かがはっきりわかる」 — location: [868](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=868) ^ref-18138
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テイカーは自分のことで頭がいっぱいなので、三人称の代名詞(私たち)より、一人称の代名詞(私)を使う — location: [933](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=933) ^ref-37465
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助けてくれた人にお返しをするどころか、テイカーとマッチャーはしばしば先を見越して、近々助けてもらいたいと思っている人に親切にする。 — location: [1075](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1075) ^ref-30586
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本当に私のことを助けたいと思っているのだろうか。それとも、あとで頼み事ができるように恩を着せようとしているだけなのだろうか。 — location: [1096](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1096) ^ref-30831
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相手が誰であろうと、自分にこう問いかけるべきでしょう。『この人にどんなことをしてあげられるだろうか?』 ってね」 — location: [1109](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1109) ^ref-51068
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強いつながりは「 絆」を生み出すが、弱いつながりは「橋渡し」として役に立つ。 — location: [1155](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1155) ^ref-34265
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カギは「リコネクト(再びつながること)」 だ。これこそ、ギバーが最終的に成功することになる大きな理由なのである。 — location: [1163](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1163) ^ref-8819
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過去三年にわたり音信不通だったあいだに、それぞれが新しいアイデアやものの見方にさらされていたために、 休眠状態のつながりのほうが、より多くの新しい情報をもたらす — location: [1223](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1223) ^ref-11029
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ギバーには、損得抜きで気前よく、知識を共有したり、スキルを教えたり、仕事を見つける手助けをしたりした実績があるので、もう一度連絡をとったときに二つ返事で助けてもらえる。 — location: [1253](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1253) ^ref-39131
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価値を交換するのではなく、リフキンはひたすら価値を「増やす」ことを目指している。 — location: [1312](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1312) ^ref-48192
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リフキンは、助けた人たちのうち何人が自分にお返しをしてくれるだろうか、とは考えない。 テイカーは、自分を偉く見せて、有力者にとり入るためにネットワークを広げ、一方マッチャーは、人に親切にしてもらうためにネットワークを広げる。 — location: [1317](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1317) ^ref-27238
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「恩送り(Pay forward)」 — location: [1324](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1324) ^ref-29856
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グループに一貫したギバーが一人いると、ほかのメンバーはより与えるようになる。与えることをごく当たりまえのことにするには、たった一人ギバーがいるだけで十分なのだ。 — location: [1355](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1355) ^ref-39008
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天才はテイカーになる傾向があり、自分の利益を大きくするために、ほかの人から「知力、エネルギー、能力を奪う」。 — location: [1439](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1439) ^ref-2413
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それに対し、天才を育てる人はギバーになる傾向がある。彼らは自分の「知力を使って」、ほかの人びとの「知性や能力を増幅して、ひらめきを引き起こし、アイデアを生み出し、問題を解決させる」とワイズマンは書いている。 — location: [1440](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1440) ^ref-11223
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自分の知力にだけ頼った、一見、個人の力が大きい仕事でも、成功するかどうかは自分で理解している以上にほかの人びとの協力にかかっている — location: [1568](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1568) ^ref-35531
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自分個人の利益よりも、グループにとって最善の利益になる仕事を引き受けるのだ。こうすることで、グループ全体が恩恵を受ける。 — location: [1654](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1654) ^ref-17652
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成功したギバーは、自分だけでなくグループ全員が得をするように、パイ(総額)を大きくする。 — location: [1658](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1658) ^ref-14950
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遅刻をしない、 努力を惜しまない、 人に親切にする、 道に外れたことをしない」の — location: [1685](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1685) ^ref-58147
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ギバーとして信用を得ると、ちょっと大胆で挑戦的なアイデアを出しても、まわりに特別に認められてしまう — location: [1706](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1706) ^ref-36277
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ギバーがアイデアを提案すると、たとえそれが自分にとって不本意なことであっても、同僚は耳を傾け、正直に話してくれたことに報いようとする。それは、ギバーが心から貢献したいと願ってそうしていることがわかっているからなのだ。 — location: [1709](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1709) ^ref-19150
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悪気がなくても、人は自分の貢献を過大評価し、他人の貢献を過小評価する」 — location: [1795](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1795) ^ref-39663
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お互いの貢献度を正しく判断するカギは、「他人がした貢献に注目すること」である。 — location: [1804](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1804) ^ref-11859
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自分自身がやったことを評価するまえに、相手がしてくれたことをリストにする — location: [1804](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1804) ^ref-12561
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うまくいかないときは自分が責任を負い、うまくいっているときは、すぐにほかの人を 褒める — location: [1816](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1816) ^ref-25873
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心理的・身体的な興奮状態を経験していないとき、人はそれが自分に与える影響をひどく過小評価する — location: [1858](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1858) ^ref-4376
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マイヤーのような成功するギバーは、自分のものの見方を相手の視点に合わせる。だが、これを最初からできる人はそうそういない。 — location: [1890](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1890) ^ref-44578
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人を真の意味で助けるには、自分のものの見方の外に出なければならない。 — location: [1919](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=1919) ^ref-5300
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訓練兵がミスをしても、小隊長はそれを能力が低いせいだとは思わず、学びのいい機会だととらえた。小隊長の協力的な態度によって、訓練兵は自信と能力を高め、より高い功績を達成できるようになった のだ。 — location: [2103](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2103) ^ref-4206
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「従業員の可能性を心から信じ、支援の手を差し伸べ、可能性を信じていることを常日頃から伝えていれば、やる気が出ていっそう努力するようになり、その可能性を発揮できるようになるのです」 — location: [2111](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2111) ^ref-14566
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ギバーは、可能性の片鱗が見え隠れするまで待ったりはしない。 — location: [2126](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2126) ^ref-15900
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人をみな「大きな可能性を秘めた人」として見る時点で、ギバーはそもそも、リーダーやマネジャーやメンターの役割を果たしている。 — location: [2128](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2128) ^ref-47352
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どの人も才能ある人間であり、だからこそ、その人の一番よいところを引き出そうとする。 — location: [2131](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2131) ^ref-22572
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一つは「後悔の予期」─ — location: [2380](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2380) ^ref-26790
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二つ目は「計画の完了」─ — location: [2381](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2381) ^ref-30982
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三つ目の「エゴの防御」 — location: [2382](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2382) ^ref-55316
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テイカーはエゴが脅かされることに敏感なため、ギバーよりも立場固定に陥りやすい — location: [2390](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2390) ^ref-46580
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ギバーは同僚と会社を守ることを第一に考えるので、進んで失敗を認め、柔軟に意思決定しようとする。 — location: [2406](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2406) ^ref-16700
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しかしギバーがごく当たりまえにやっているように、他人を中心に考えて選択すれば、エゴや 些細 な事柄に振り回されることは少なくなるだろう。ギバーは全体を見て、ほかの人びとにとって一番大切なことを優先させるからだ。 — location: [2409](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2409) ^ref-49195
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ギバーには、自分の決断が同僚や会社に与える影響のほうが重要なので、 長い目で見てよりよい選択をするためなら、さしあたって自分のプライドや評判が打撃を受けてもかまわない と考えるのだ。 — location: [2446](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2446) ^ref-57544
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テイカーが、自分こそが一番かしこい人間になろうとやっきになるのに対し、ギバーは、たとえ自分の信念が脅かされようと、他人の専門知識を柔軟に受け入れる。 — location: [2528](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2528) ^ref-40411
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研究から、人に影響を与えるための二つの基本的なアプローチは、優位と信望であることがわかっている。優位を確立すれば、人から有力で権威があると思われるので、影響をおよぼすことができる。また信望を集めれば、人から尊敬、賞賛されるので、やはり影響力は大きい。 — location: [2660](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2660) ^ref-36038
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自分が権力と権限を手に入れれば入れるほど、相手の権力と権限は小さくなるからだ。それに、自分より優位にある誰かに出くわせば、とたんにテイカーは影響力を失うだろう。 それに対して、信望はゼロサムではない。尊敬と賞賛はいくらでも与えることができるからだ。信望には、無限に続く価値があるということだ。 — location: [2672](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2672) ^ref-13410
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弱みを見せても効果があるのは、周囲の人びとに有能だと認められている場合にかぎる — location: [2726](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2726) ^ref-27110
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テイカーは強気な話し方をする傾向があり、独断的で、率直だ。一方、ギバーはもっとゆるい話し方をする傾向があり、控えめな言葉を使って話す。 — location: [2935](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2935) ^ref-1992
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控えめに話すことで、ジェーミーは相手に譲歩する意思、もしくは、少なくとも相手の意見を考慮する意思を伝えているのだ。 — location: [2960](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2960) ^ref-4823
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控えめに話さないほうがいい立場が一つだけある。それは、リーダーシップを担っている場合 だ。 — location: [2987](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=2987) ^ref-26790
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強気のコミュニケーションはその場かぎりの面接では効果的だが、チームワークやサービス関係では、チームのメンバーの尊敬や賞賛を失う要因となる。 — location: [3004](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3004) ^ref-56989
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アドバイスを求めることは、ゆるいコミュニケーションの一形態である。誰かに何かを聞くということは、自分の自信のなさを伝え、弱さを見せることだ。 — location: [3063](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3063) ^ref-20737
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知識のある同僚にしょっちゅうアドバイスや助けを求めている人は、まったく求めない人よりも、上司の受けがいい — location: [3069](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3069) ^ref-57576
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人にアドバイスを求めることには四つのメリットがあるという。それは、 情報の獲得、 自分の身になってもらえること、 相手とのかかわり合いが強められる、 ゴマすりである。 — location: [3074](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3074) ^ref-46220
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人間は自分の時間、エネルギー、知識や情報を投資して誰かを助けると、相手がそれに値する人だと必死で信じようとする。 — location: [3094](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3094) ^ref-38597
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成功するには、与えることの強みを活かすだけではダメで、その落とし穴も避けなくてはならない。与えることも度が過ぎると、自分を犠牲にして、まわりやネットワークのつながりのために尽くして終わり、ということになってしまう。 — location: [3131](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3131) ^ref-45184
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「自己犠牲タイプ」のギバーは、他者の利益追求のスコアが高く、自己の利益追求のスコアが低い。 — location: [3166](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3166) ^ref-30618
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自己の利益と他者の利益は、一つの座標の両極端に位置するものと思われがちだが、私は調査を通じて、この二つが完全に別個の動機であることを発見した。二つを同時に目指すことが可能なのだ。 — location: [3172](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3172) ^ref-16980
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テイカーが「利己的」で、成功できないギバーが「自己犠牲的」なら、成功するギバーは「他者志向的」といっていいだろう。 — location: [3176](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3176) ^ref-17486
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「他者志向」になるということは、受けとるより多くを与えても、けっして自分の利益は見失わず、それを指針に、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めること — location: [3178](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3178) ^ref-62442
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テイカーは、大学構内でもっとも給料の高い職についていることで、やる気が引き出されていた。しかしギバーは、自分にとって一番大切だと思えるものを見返りとしてもらっていなかった。テイカーは自分が得をすることにもっとも関心があるが、それに対し、ギバーはほかの人の利益になる仕事をすることに強い関心がある。 — location: [3266](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3266) ^ref-57991
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ギバーが燃え尽きるのは、与えすぎたことよりも、与えたことでもたらされた影響を、前向きに認めてもらえていないことが原因 なのである。 ギバーは、与えることに時間とエネルギーを注ぎ込みすぎるせいで燃え尽きるのではない。困っている人をうまく助けてやれないときに、燃え尽きるのである。 — location: [3294](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3294) ^ref-51650
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他人のことだけでなく自分自身のことも思いやりながら、他者志向的に与えれば、心身の健康を犠牲にすることはなくなる。 — location: [3339](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3339) ^ref-41623
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一日に一つずつ与えるよりも、一日に五つまとめて与えた人のほうが幸福度が増した — location: [3355](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3355) ^ref-44118
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まとめて与えることは、他者志向の戦略である。放課後、疲れてヘトヘトなときは、コンリーは生徒の指導を週末にとっておくことにしていた。週末なら気力も回復し、スケジュールの都合もつきやすかったからだ。 それとは対照的に、自己犠牲のギバーは、相手に求められるまま、そのつどバラバラと与える傾向がある。このやり方は気が散りやすいうえ、疲労感も大きく、ギバーから必要な注意力と気力を奪ってしまう。 — location: [3361](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3361) ^ref-16486
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ボランティア活動の「百時間ルール」 なのだ。 このラインを限度に設定しておけば、大きなパワーが得られ、疲労感がもっとも少ない のである。 — location: [3409](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3409) ^ref-32574
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ショーンが根っから自己犠牲タイプのギバーだったら、自分自身の関心や熱意の程度に関係なく、義務感から多くの目標にエネルギーを分散していたかもしれない。しかしそうしないで、ショーンは他者志向のアプローチをとり入れ、まとまった時間で与えて、自分が情熱をもっている目標、すなわち、“教育”に集中させたのである。 — location: [3435](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3435) ^ref-50698
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自己犠牲タイプのギバーは他者志向のギバーより助けを受けることがはるかに少ないのを発見しており、そしてそれは、精神的にも肉体的にもダメージをおよぼす ことがわかっている。 — location: [3472](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3472) ^ref-57289
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周囲からサポートを受けることこそ、燃え尽き防止の強力な特効薬 — location: [3477](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3477) ^ref-39650
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男女を問わず多くのギバーを悩ませている三つの 罠 ──信用しすぎること、相手に共感しすぎること、臆病になりすぎること── — location: [3675](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3675) ^ref-51462
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どのくらい与え、どのくらい受けとるかは動機や価値観によって決まるもので、その人の性格とは無関係 である。 — location: [3733](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3733) ^ref-63060
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バウアーは、質問してくる人とその態度に注意を払うようになり、断る理由をリストにまとめた。相変わらず与えてはいたが、もっと効率的に時間を使うようになり、部下や後輩のためにガイドを作成し、アドバイスのほとんどを文書化したので、テイカーに時間をとられる必要がなくなった。「より戦略的にギバーでいるための方法を見つけました」と、バウアーはいう。 — location: [3769](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3769) ^ref-17714
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リッチの気持ちを考えるのではなく、リッチの考えていることを推察する ことに — location: [3810](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3810) ^ref-46149
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テイカーは、利己心を刺激してやればいい反応を示す — location: [3815](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3815) ^ref-57945
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双方の利益が対立する短期間の交渉においては、 相手の心ではなく頭のなかに注目する ことで、大いにギバーの有利になる。 — location: [3843](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3843) ^ref-17366
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テイカーとつき合うときには、マッチャーになればいい — location: [3862](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3862) ^ref-40761
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寛大なしっぺ返し」と — location: [3875](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3875) ^ref-17875
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他者志向になるということは、ギバーが自分自身の利益を気にかけつつ、相手を信用し、それでも相手の真意を必ず見極めることなのだ。 テイカーを相手にするときには、自衛のために、マッチャーになるのがいい。ただし、三回に一回はギバーに戻って、テイカーに名誉 挽回 のチャンスを与える。 — location: [3887](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3887) ^ref-65136
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解決策は、自分自身を、家族に代わって交渉する代理人だと考えること — location: [3999](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=3999) ^ref-4261
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関係説明することで、ギバーは自分が単なる他人の代理人ではないと思える。 ほかの人の代理人として振る舞うことは、ギバーとしての自己イメージと社会的イメージを保つための効果的な方法 なのだ。 — location: [4018](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4018) ^ref-29667
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ギバーには人を守りたいという気持ちがありますから、顧客と交渉するときは、自分はチームに対して大きな責任があるのだと思うと、ノーといいやすいですね」 — location: [4024](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4024) ^ref-12666
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全体のパイを大きくし、「勝ち勝ち(ウィン・ウィン)交渉」を成功させる手助けをしてくれたのは、「人の視点でものを見る」こと — location: [4098](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4098) ^ref-14716
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こう自問しました。「いま、助けることができる人間は、本当に私だけなのだろうか?」と。そして“これができるのは自分しかいない”という思い込みを手放し、互いに助け合えるように人びとを結びつけていきました。いまでは、後輩に指導を求められたらはっきりとこういいます。「人に指導してもらったら、同じことをほかの人にもしてあげてください。人に親切にされたら、その恩返しを別の人へとしてほしいんです」と。 — location: [4124](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4124) ^ref-18308
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誰に対しても、たった一つのギブ・アンド・テイクのやり方で対応することのほうが、よっぽど危険 なのだ。 — location: [4129](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4129) ^ref-25544
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自分自身のアイデンティティと相手のアイデンティティが同化するまで他人に共感すると、相手のことを自分自身と同じくらい思いやるようになる。そうなると、自分の利益を相手の利益より重視しなくなるので、助けることは純粋に利他的なのである──。 — location: [4279](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4279) ^ref-65156
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与えるときはたいてい、相手に得をさせたいという欲求と、自分自身も得をしたいという欲求が複雑に混ざり合っている — location: [4300](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4300) ^ref-11195
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人は人生の多くの領域で、ほかの人がどう行動しているか知らないばかりに、受けとることに終始している。 — location: [4493](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4493) ^ref-51947
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最初に人びとの行動を変えれば、信念もあとからついてくる — location: [4667](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4667) ^ref-2311
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テイカーをギバーに変えるには、まず、与えようという気にさせなければならない。そうすればいずれ、条件が整えば、テイカーは自分のことをギバーだと思うようになるだろう。 — location: [4668](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4668) ^ref-50200
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自分の選択によってくり返し人に与えていると、与えることを自分の個性の一部として内面化する — location: [4673](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4673) ^ref-12693
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テイカーが成功を、人を出し抜いて優れた成果を達成することだと考えるのに対し、マッチャーは成功を、個人の業績と他人の業績を公正に釣り合わせることだと考える。 一方、ギバーは成功を、他人にプラスの影響をもたらす個人的なものだと考えるのだ。 — location: [4788](kindle://book?action=open&asin=B00IRV39FM&location=4788) ^ref-51560
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