## Summary この本は、顧客体験 (CX) を向上させることで、ロイヤルカスタマーを作り出し、収益を向上させる方法を解説しています。 **主要なポイント:** * **クレームは宝:** トラブル発生時、クレームを申し立て、それが解決された顧客は、そうでない顧客よりもロイヤルティが高い。クレームを申し出やすい環境を作る重要性。 * **CXの範囲:** CXはサービス提供だけでなく、顧客体験の起点から完了までを包括する。 * **CX向上のための三要素:** 適切なプロセス、テクノロジー、そして権限を与えられた現場担当者の連携が不可欠。 * **先手を打つコミュニケーション:** 顧客の不安を軽減し、満足度を高めるために重要。 * **CXと収益の関係:** ロイヤルティ、マージン率、クチコミを通して収益に影響を与える。 * **クチコミの重要性:** CX向上にはクチコミの促進、測定、管理が不可欠。 * **トラブル対応の重要性:** トラブル発生時の対応が顧客ロイヤルティに大きな影響を与える。ただし、すべてのトラブルが同じ影響を持つわけではないため、優先順位をつける。 * **CX向上のための3つのポイント:** 誠実な事前期待設定、柔軟なシステムデザイン、エモーショナルコネクションを育む組織文化。 * **テクノロジーの役割:** テクノロジーは不快な体験を避けるためのツールであり、それ自体が価値を提供するわけではない。 * **ブランドプロミスへの責任:** 全員がブランドプロミスの実現に責任を持つ。 * **サービスプロセスのデザイン:** CXの「あるべき姿」を想定し、顧客に直接的/間接的に影響を与える各プロセスを設計する。 * **エモーショナルコネクション:** 顧客との良好な関係性を築く。機会を創出し、担当者を育成する。 * **柔軟性と地域性:** グローバルな視野を持ちつつ、地域やセグメントのニーズに合わせた柔軟な対応。 * **顧客対応の一貫性:** セグメントに関わらず、すべての顧客に丁重な対応をする。 * **担当者への適切な評価:** 問題発生時は手順に問題がないかを確認し、担当者個人を不当に責めない。 顧客中心主義を徹底し、上記のポイントを実践することで、ロイヤルカスタマーの創出と収益向上に繋げられると著者は主張しています。 ## Metadata * Author: [ジョン・グッドマン、畑中 伸介](https://www.amazon.comundefined) * ASIN: B01IOHJDOE * Reference: https://www.amazon.com/dp/B01IOHJDOE * [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE) ## Highlights トラブルを体験してもクレームを申し立てない顧客より、クレームを申し立てて解決した顧客のほうがロイヤルティが高くなる」 — location: [54](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=54) ^ref-64038 --- 顧客が不満を抱いた場合、満足したときよりも 2 倍以上の数の知人にその経験をクチコミ( ★ 2)することがわかった。 — location: [57](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=57) ^ref-28925 --- CX とは、顧客が体験することの起点から完了までを含み、真摯なマーケティングのメッセージに始まり、顧客には製品の保証期間を過ぎても、なお愛用し続けてもらえるようになることまでをめざしているからである。 — location: [443](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=443) ^ref-33607 --- 顧客がクレームを申し立てやすい仕組みを企業が作らない限り、ほとんどの顧客はわざわざ苦情を申し出たりしない。あなたの企業に不満なら、消費者が取る行動は他のブランドにスイッチするだけだ。「嫌なことがあれば教えてほしい」と、企業は、顧客のクレームを促し、またクレームを申し立てやすい環境(アクセス)を整えなくてはならない。 — location: [494](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=494) ^ref-28194 --- CX とは顧客にサービスを提供するだけのものではない。 — location: [959](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=959) ^ref-53559 --- CX は顧客体験の起点から完了までを指す。そして素晴らしい CX の実現は、サービス担当者の力だけでできるものでなく、慎重に設計されたプロセスとテクノロジーの組合せが不可欠となる。 — location: [960](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=960) ^ref-4288 --- 顧客の求めているものを察知し、事前期待を満たせるように製品を届けるには、現場の担当者を信頼し、彼らに権限移譲しなければならない。そのためには、適切なプロセスとテクノロジーを現場に落とし込む必要がある。 — location: [1033](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=1033) ^ref-46470 --- 先手を打つコミュニケーションは、出来事の重要性に正比例して安堵と喜びをもたらしてくれる。 — location: [1260](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=1260) ^ref-34608 --- CX の強化による経済的メリットを数値化するうえでの最大の課題は、収益への影響を数値化するところである。 CX と収益の関連性に懐疑的な CFO でも納得できるよう、まず収益への影響を 3 つに絞って定義し、それらの影響を数値化する方法を述べる。収益に影響を与えるのは、ロイヤルティ(顧客の維持)、マージン率、クチコミである。 — location: [1461](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=1461) ^ref-2225 --- CX のマネジメントを実践していくうえで、今やクチコミのあらゆる側面をしっかりと促進、測定、管理していくことが欠かせない[ ☆ 4]。 — location: [1533](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=1533) ^ref-59297 --- CX の付加価値が高くトラブルが少なくなれば、定価を維持もしくは高く設定しても顧客が維持できるため、高いプロフィットマージンをもたらす。 — location: [1549](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=1549) ^ref-47011 --- トラブルがあっても苦情を申し立てたことで解決して満足すれば、トラブルがなかった場合よりもロイヤルティが高い — location: [1595](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=1595) ^ref-50602 --- すべてのトラブルが同じ影響を与えるわけではない。通常、 2 つか 3 つのトラブルがロイヤルティに最も深刻なダメージを与えるのであり、中には改善しなくてもいいトラブルもある。勝てる戦いをしよう。 — location: [1997](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=1997) ^ref-55783 --- 1 つ目は、顧客の事前期待の設定は誠実にすること。 2 つ目は、個々の顧客の多様なニーズに合わせながら約束どおりのものを一貫して届けるような柔軟なシステムをデザインすること。 3 つ目は、エモーショナルコネクションを大事に育てる組織文化を作り出すこと — location: [2042](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=2042) ^ref-57132 --- 一貫性、柔軟性、およびエモーショナルコネクションのカルチャーのベースには、テクノロジーの活用が必須に — location: [2044](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=2044) ^ref-31070 --- テクノロジーは不快な体験を防ぐことはできても、それ以上の価値を提供することはできない。 — location: [2062](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=2062) ^ref-18529 --- 顧客中心主義であることの重要ポイントは、ブランドプロミスの実現に全員が責任を持つことである。 — location: [2333](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=2333) ^ref-44841 --- サービスプロセスのデザインをするうえで重要なことは、顧客に対して直接的または間接的に影響を与える各プロセスで、 CX の「あるべき姿」をしっかりと想定することである。 — location: [2363](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=2363) ^ref-52697 --- 顧客とのエモーショナルコネクション — location: [2394](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=2394) ^ref-32105 --- 1 つはコネクションの機会を作ること。もう 1 つはコネクションを作り出す従業員をトレーニングして権限委譲することだ。 — location: [2395](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=2395) ^ref-4116 --- 顧客中心主義の企業はグローバルな視野で戦略を立てる一方、地域性やマーケットセグメントのニーズに応える柔軟性を備えている。 — location: [2415](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=2415) ^ref-37530 --- セグメント化する際に気をつけたいのは、基本的な顧客対応のあり方をセグメントによって変えるべきではないということだ。顧客対応はセグメントに関係なく丁重にすべきものだ。 — location: [2868](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=2868) ^ref-5007 --- 顧客が満足していない場合、サービス担当者は回答手順に従って回答していても顧客満足に至らなかったということは十分にありうる。つまり、改善すべき対象は手順であり、サービス担当者に対してむやみにペナルティーを科すべきでない。 — location: [3350](kindle://book?action=open&asin=B01IOHJDOE&location=3350) ^ref-26104 ---