## Summary
この本は、問題解決のための思考法と具体的な技術を紹介しています。著者は、問題解決のプロフェッショナルになるために「走りながら解決する」ことの重要性を説いています。
**主要なポイント:**
* **ゼロベース思考:** 既成概念にとらわれず、顧客にとっての価値を考え抜く。
* **仮説思考:** 限られた情報でも、常に結論を持ち、行動に移す。
* SO WHAT? (だから何なの?)を繰り返すことで、行動に結びつく結論を導き出す。
* ベストよりベターな解決策を実行し、走りながら修正していく。
* **MECE (Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive):** モレなくダブりなく、問題を要素分解する。
* 優先順位をつけることで、効果的な資源配分を行う。
* **ロジックツリー:** 問題の原因や解決策を広がりと深さで整理する。
* WHY? (なぜ?) を繰り返して根本原因を追求する。
* SO HOW? (だからどうする?) を繰り返して具体的な解決策を導き出す。
* **コーザリティ分析:** 問題の現象と原因を因果関係で結びつけ、根本原因を特定する。
* **ソリューション・システム:** 問題解決のための体系的なプロセス。
* 主要課題と個別課題を設定し、解決策の仮説を立て、検証・評価を行う。
* 各ステップを何度も行き来しながら、試行錯誤を繰り返す。
* **チャート・グラフの活用:** 情報を分かりやすく伝え、理解を深める。
* **情報収集と分析:** 事実の羅列ではなく、仮説に基づいた意味合いの抽出が重要。
* **ポジティブな課題設定:** 解があるという前提で考えることで、解決策を見つけ出す可能性が高まる。
これらの思考法と技術を組み合わせ、常に考え、行動し、修正を繰り返すことで、問題解決のプロフェッショナルに近づけるとされています。
## Metadata
* Author: [齋藤 嘉則](https://www.amazon.comundefined)
* ASIN: B00S5Q23J2
* Reference: https://www.amazon.com/dp/B00S5Q23J2
* [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2)
## Highlights
ゼロベース思考 と 仮説思考 は、問題解決にあたっての2つの重要な基本的思考である( 図11)。 — location: [185](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=185) ^ref-14340
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ゼロベース思考 とは文字どおり「ゼロベースで物事を考える=『既成の枠』を取り外す」ということ、 仮説思考 とは「常にその時点での結論を持ってアクションを起こす」ということだ。 — location: [187](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=187) ^ref-41266
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企業の中で新規事業がなかなか育たないという話をよく耳にする。その理由はさまざまであるが、トップのリーダーシップ( もちろんこれは最低要件だが)がいかに優れていたとしても、その企業の体質をまったく無視した新規事業は育ちにくい。土壌が違うのにむりやり新種の苗を植えても、育たずにすぐ枯れてしまうのは当然だ。 — location: [233](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=233) ^ref-19778
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ゼロベース思考 とは、「既成の枠」を取り外して考えるということである。 — location: [291](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=291) ^ref-18812
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この ゼロベース思考 のポイントは、 自分の狭い枠の中で否定に走らない 顧客にとっての価値を考える — location: [300](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=300) ^ref-8520
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従来の枠の外の可能性にチャレンジする前向きさという意味では、 ゼロベース思考 にはポジティブ・メンタリティに通ずるものがある。 — location: [321](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=321) ^ref-49324
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ゼロベース思考 で考えろと言われてもなかなか難しい、と思う人に対して考え方のコツを挙げるとすれば、「顧客にとっての価値を考える」ということだ。 — location: [327](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=327) ^ref-33220
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大企業になってしまうと、これがなかなかできない。なぜかというと、組織的に、開発、生産、営業、マーケティングと機能分化するうえに、規模の拡大に伴って管理階層が重層化し、それに比例して消費者との距離が遠くなるからだ。そのため、消費者の実態が意思決定者に届きにくくなってしまう。 — location: [342](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=342) ^ref-26894
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しかし、せっかく消費者の生の声を吸い上げても、意思決定者にそれがダイレクトに伝わらない。途中の段階で「既成のタガ」から抜けられず、結局、生の声を実行段階で生かせないのでは、まったく意味がない。 — location: [345](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=345) ^ref-20635
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ビジネスにおける ゼロベース思考 とは、アートの世界のようにひらめきや直感に頼るまったくのゼロからの発想を必ずしも意味しない。自部門や自社の既成の枠から離れ「顧客にとっての価値」を考え抜くことができれば、そのビジネスは成功する( 図15)。 — location: [352](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=352) ^ref-11627
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仮説思考 とは、限られた時間、限られた情報しかなくとも、必ずその時点での結論を持ち、実行に移すということである。 — location: [495](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=495) ^ref-47029
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刻々と変化する現代においては、このスピードが命運を分ける。時間をかけて緻密な分析によって精度を高めようとするよりも、ざっくりでもいいから短時間であるレベルの結論を出し、アクションに結び付けることが重要なのだ。 — location: [498](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=498) ^ref-60408
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仮説思考 のポイントは、 アクションに結び付く結論を常に持つ——結論の仮説 結論に導く背後の理由やメカニズムを考える——理由の仮説 「ベスト」を考えるよりも「ベター」を実行する——スピードを重視 — location: [502](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=502) ^ref-59774
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しかし、最初は当てずっぽうでもよい。とにかく、何がなんでも結論を出すことが仮説思考の始まりだ。 そして出した結論に対して、SO WHAT?( だから何なの)を繰り返す。 — location: [510](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=510) ^ref-17782
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SO WHAT?を繰り返す意味は、いまある状況を分析したとき、なんとかアクションに結び付く結論を出すためである。 — location: [519](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=519) ^ref-42723
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最初は的を外しても、常にアクションに結び付く結論を持つということを心がけると、確実に精度は上がる。 — location: [529](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=529) ^ref-20180
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ビジネスの現場では1つの具体的結論が100の評論に勝ることを肝に銘じてほしい( 図18)。 — location: [536](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=536) ^ref-61748
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仮説思考 の第一歩は、まず「何がなんでも結論を出すこと」だと述べた。この結論を出す習慣がついたなら、次に心がけることは「背後の理由やメカニズムを考える」ことだ。 — location: [539](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=539) ^ref-43690
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この2つの関係は、鶏と卵の関係だ。「何がなんでもその時点での結論」を持とうと — location: [545](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=545) ^ref-286
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すると、その問題の背景にはどういうメカニズムが働いているのか、どういう枠組みで問題を考えるのか、なぜそういう枠組みでとらえたのかという理由を自然に考えるようになる。 — location: [546](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=546) ^ref-47249
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実行することにより、いまよりもベターな状況が想定されれば、とにかく実行に移すことを考えればよい。実行した人の勝ち、と思っていい。 — location: [682](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=682) ^ref-14743
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なぜかというと、まず、ビジネスの現場には絶対的正解はありえないからだ。 — location: [683](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=683) ^ref-28543
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もしそのベター案を批判する人がいたら、その人にもっと優れた代案を出してもらえばいい。 — location: [694](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=694) ^ref-51768
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ベターな解決策でも現場を動かし始めると、じっくりとベスト案を求めて分析するよりも、精度の高い、すぐに役立つ情報が自動的に入ってくるのだ。したがって、結果的には成果に到達する時間が短縮されるだけでなく、成果自体も当初の期待値を上回り、一石二鳥となる。 — location: [698](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=698) ^ref-52146
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むしろ走りながら解決したほうが非常に効率的で、良い結果が出やすいということを言っているのだ。 — location: [702](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=702) ^ref-46453
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つまり、大成功したビジネスマンでさえ、ベストが本当に見えたのは最後の最後ということだ。 — location: [719](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=719) ^ref-8318
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「ベスト」を考えるより「ベター」を実行する、を実践に結び付けていくときに忘れてはいけないことを、1つ付け加えておく。それは情報収集に時間を取りすぎるなということだ。 — location: [721](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=721) ^ref-63612
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思考と情報のパラドックス」 — location: [730](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=730) ^ref-22346
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ビジネスで必要なのはまず右か左かの方向性なのだ。6割レベルの情報が集まったら、とにかく一度、方向性の判断を行うべきだ。 — location: [736](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=736) ^ref-30548
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実際、仮説を持って検証・実行すると、より精度の高い情報がより楽に集まるため、効率はかなり高まる。一方、初めに結論を持たずに状況の説明から始めると、SO WHAT?という質問に対して、さらに検討いたしますという答弁になりやすく、決定ができないままに終わってしまうことになる。 — location: [741](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=741) ^ref-10977
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MECE( ミッシー) と ロジックツリー は、問題を解決する過程で問題の原因を追求したり、解決策を考えるときに、思考の広がりと深さを論理的に押さえるための基本的な技術である。第1章の2つの思考が問題解決のための基本態度とすると、この第2章の2つの技術は問題解決のための基本スキルといえる。 — location: [750](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=750) ^ref-62225
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「モレなしかつダブリなし」という集合の単純な考え方である MECE が、なぜそれほど重要なのか。それは、企業のトップであろうと生産や販売の最前線で頑張っている新人であろうと、立場に関係なく、それぞれの目標を達成するために必要なヒト・モノ・カネの経営資源や時間に制限があるからだ。そして、商品・サービスの受け手となる顧客が存在する限りは、競合相手に比べより効果的に、かつ効率的に自社の商品・サービスを顧客に提供することが競争力の源泉になるからだ。 — location: [904](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=904) ^ref-36126
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MECE を活用するうえでのポイントを整理すると、次の3つになる。 — location: [910](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=910) ^ref-32723
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モレ によって的を外していないか? ダブリ によって効率を阻害していないか? MECE でとらえ、最後に 優先順位 をつけているか? — location: [912](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=912) ^ref-2408
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最後に重要なのは、物事を大きく MECE でとらえられるようになったら、必ずメリハリ=優先順位をつけることだ。どんなに MECE になっていても、すべてをカバーした網羅的な解決策やメッセージは、何も言っていないのと同じことである。 — location: [957](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=957) ^ref-31772
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このように MECE は網羅性を追求するための分解ツールとしては強力だが、その先の経営資源配分の優先順位づけに失敗すれば意味がない。 MECE で熟考した後は、その意味合いをとらえ、最後に優先順位づけを行うことを決して忘れてはならない。 — location: [1004](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1004) ^ref-64584
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ロジックツリー* とは、問題の原因を深掘りしたり、解決策を具体化するときに、限られた時間の中で広がりと深さを追求するのに役立つ技術である( 図213)。 — location: [1139](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1139) ^ref-51818
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人は問題に直面して解決策を考えようとするとき、まずその原因を追求する。しかし、いろいろな原因が考えられるのに、その広がりや深さを押さえずに、単なる思いつきだけで手を打つとどうなるか。どんなに立派で緻密な解決策を練り上げても、的が外れれば無駄に終わる。そして、間違って実行するとさらに余分な時間と資源( ヒト・モノ・カネ)を使う羽目に陥る。 — location: [1155](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1155) ^ref-24338
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ロジックツリー を使って、この根っこの原因を突き止めるには、とにかく WHY?( どうして)を自問自答し続けることだ( 図215)。 — location: [1165](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1165) ^ref-11440
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解決策の要件は次の2つである。 — location: [1229](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1229) ^ref-27045
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的を外さないこと すぐにアクションに結び付くような具体性があること — location: [1230](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1230) ^ref-36695
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ロジックツリー を使って解決策を具体化するには、SO HOW?( だからどうする)を何度も何度も繰り返して深めていくことが必要になる( 図219)。 — location: [1236](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1236) ^ref-18163
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WHY?で追求された単なる原因の裏返しの解だけでは、こうした解に結び付くアイデアは見落とされてしまう。 — location: [1240](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1240) ^ref-22836
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むしろ重要なのは、それぞれの解決策の優先順位づけとアクションへの反映度だ。 — location: [1270](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1270) ^ref-3355
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ロジックツリー を作る基本は次の3つである。 各レベルができるだけ MECE か ツリーの右側が具体的な原因や解決策になっているか 具体的な原因や解決策がロジックの因果関係で主要課題にリンクしているか — location: [1339](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1339) ^ref-13182
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コーザリティ分析とは、表面化している問題( 現象)の背景にある根本的原因を追求するために、現象と原因を因果関係で整理する分析手法の1つである。 — location: [1438](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1438) ^ref-21977
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ビジネスの現場では、表面化している問題にさまざまな原因が複雑に絡み合っており、どれが一番の根本的原因か把握しないまま手を打つと、いっこうに改善効果が出ない場合がある。しかし、問題が起きている場合というのは往々にして悪循環にはまり込んでいることが多い。その場合、問題を解決するにはその根本的原因の解決が最重要課題であり、現象に対する対症療法では何も解決しないどころか、さらに深みにはまり込んでしまうこともある。 — location: [1442](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1442) ^ref-29090
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こうしていろいろ考えられる原因を ロジックツリー で追求した後で、それぞれ関係のありそうな原因や表面化している現象を因果関係で結んで、最も根本的と考えられる原因の優先順位づけを行う — location: [1464](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1464) ^ref-31036
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ソリューション・システム( Solution System) とは、ビジネス上の問題を分析し、具体的解決策を立案するための問題解決法である。 — location: [1560](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1560) ^ref-57937
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課題とは「解決すべきだと意識された問題」と定義する。 — location: [1569](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1569) ^ref-26038
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天才的経営者でない限りは、ときにはモレが生じたり、具体性に欠けたり、最悪の場合は的を完全に外してしまうことさえある。それを未然に防ぎながら、単純化したステップを踏み、システマティックに問題解決を図るのが ソリューション・システム の考え方である。 — location: [1574](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1574) ^ref-24307
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まず何が問題で、何を解決すべき課題として設定するかが、問題解決においては最初の重要なポイントになる。 — location: [1633](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1633) ^ref-24283
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ビジネスの現場ではこれから説明する ソリューション・システム のプロセスを活用すると、大きく的を外さないようにしながら、効率的に課題を解決することができる。そして課題は常に変化する。それを解決するために常に全体観を持って課題を掌握し、柔軟に軌道修正しながらベター・ソリューションを見つけ実行するために、 ソリューション・システム は非常に効果的なのだ。 — location: [1666](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1666) ^ref-36367
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問題だと考えられる現象に直面したとき、その問題を今後解決すべき課題としてとらえ直すことが「課題の設定」である。「課題の設定」のプロセスは2つの要素からなる。それは「主要課題」の設定と、それを具体化・細分化した「個別課題」の設定である。 — location: [1675](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1675) ^ref-54848
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課題の設定が現状からの短期的解決課題なのか、将来の目標や企業のビジョンを達成するための中長期的解決課題なのかは、比較するときの視点を時間軸のどの地点に置くかによって変わる。 — location: [1696](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1696) ^ref-35632
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この「個別課題」の設定に関しては、2つ重要なポイントがある。1つは、できるだけ MECE や ロジックツリー を駆使して独自のフレームワークを作り上げて考えるということ。なぜなら、環境変化が激しい現在、既存のフレームワークなど古くて役に立たず、無理に当てはめればかえって、初めに見えていた問題点が見えなくなる可能性があるからだ。 2つ目は、「主要課題」から「個別課題」にブレークダウンする目的は、本来、問題が生じた背景や、問題を引き起こすメカニズムを明らかにすることにあるということだ。 — location: [1714](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1714) ^ref-48338
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解決策の仮説とは、「主要課題」に対するその時点でのアクションに結び付く具体的解決策をいう。解決策の仮説は2つの要素からなる。それは、「個別課題」に対する「個別解決策」づくりと「主要課題」に対する「総合解決策」づくりである。 — location: [1727](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1727) ^ref-32267
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まず、それぞれの「個別課題」に対する「個別解決策」づくりを、 ゼロベース思考 仮説思考 をもとに考え抜く。そして、自社/自部門/自分でコントロール可能かどうかについて、YES/NOの結論=仮説を出す( 図38)。YESの場合はどうすればできるのか、その具体的解決策( HOW)を明らかにし、NOの場合はなぜできないのか、理由( WHY)を明らかにする。 — location: [1731](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1731) ^ref-62042
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こうして出てきた具体的解決策( 仮説)は、あくまでも「個別課題」 — location: [1752](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1752) ^ref-41346
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に対する「個別解決策」である。したがって次のステップは、これらの「個別解決策」を組み合わせて、「主要課題」に対する「総合解決策」を作ることになる。 — location: [1753](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1753) ^ref-53676
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「総合解決策」とはこのように、「個別課題」に対するYES/NOの具体的解決策を組み合わせ、経営資源の観点から「個別解決策」の整合性をチェックしたうえで作られる。 — location: [1767](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1767) ^ref-46569
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解決策の検証・評価とは、「総合解決策」と「個別解決策」に対する文字どおりの検証・評価である。1つ目は、「個別解決策」の「YES」が成立するのかを事実ベースで分析・証明すること。2つ目は、「総合解決策」を経営資源や企業の方針の観点から評価することである。 — location: [1777](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1777) ^ref-56887
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分析の精度は定量化するにこしたことはないが、基本的には右に行くのか左に行くのかの判断がビジネスでは重要なのであり、分析そのものが目的ではない。 — location: [1783](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1783) ^ref-56619
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こうしてすべての「個別解決策」が検証された後、その組み合わせによる「総合解決策」を、解決策そのもののハードな面と、それを実行する側のソフトな面の両方から評価する必要がある。まず、解決策そのもののハードな面は、大きく4つの基準から評価される。 期待成果:解決策のもたらす効果を売上げ、利益、成長性の視点から評価 投入資源:ヒト・モノ・カネの投入資源の量とそれぞれに関する企業の制約条件から評価 リスク:市場や競合関係(対競合の差別化要因)の急変による変動や失敗のリスクをダウンサイドとアップサイドの両面から評価 展開スピード:上記の3要素すべてに関係するが、いずれにしても成功の結果を早く出すための、早期立ち上げのスピードの評価 — location: [1799](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1799) ^ref-5405
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このソフト面の評価基準は3つ。 企業スタイル、理念との整合性 トップのコミットメント( 責任/決意)の確認 リーダーシップのある実務レベルの推進者の有無 — location: [1809](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1809) ^ref-39820
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さらに、分析を進めていくうちに当然、仮説も変化する。したがって、考えを深めながら解決策を練っていくには、何度も各ステップを行ったり来たりしながら試行錯誤することが必要となる( 図314)。 — location: [1835](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1835) ^ref-38932
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一流と言われる経営コンサルタントは、この ソリューション・システム のプロセスを、トップとの話し合いや部門長へのインタビューを通して初期の段階で頭の中で行い、同時に解決策の仮説を立てている。 — location: [1950](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1950) ^ref-56175
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チャートやグラフにして分析をするのは、 瞬時に見ただけで自分以外のだれにでも内容を伝えやすい 表よりも精度の高い状況把握ができ理解のスピードが速い 視覚的にインパクトが強く記憶に残りやすい といったメリットがあるからだ。 — location: [1988](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=1988) ^ref-59402
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設定された課題に対して解決策( 仮説)を考える際に、解の方向性として、いま企業が有する強みをテコにするか、弱みを強化するのか、あるいはまったく新しい方向性をゼロから創り出していくのかという判断がまず必要だ。 — location: [2114](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2114) ^ref-5589
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販売員や特約店といった販売店から商品アイテムに至るまで、構成要素の数が多くかつ各要素ごとのパフォーマンス( 生産性)が定量化できる場合は、とりあえずハイ・パフォーマンス・グループとロー・パフォーマンス・グループに分けて問題点をとらえるといい。 — location: [2185](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2185) ^ref-37800
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実際のビジネスの現場では、全体集合が初めから簡単には見えないこともある。その場合、仮説を立てることはもちろん大事だが、狭い視野の範囲で否定的要素がたまたま大きく見えるために全体も否定的に見てしまい、本当は解があるのに見逃してしまうことがある。そういう意味では、解があるかもしれないという ゼロベース思考 からのポジティブな課題設定とネガティブな課題設定を行った場合、ポジティブな課題設定を行うほうが何十倍も解決策を見つけ出す可能性 — location: [2322](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2322) ^ref-32224
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は高まる。 — location: [2327](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2327) ^ref-12352
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自分の思い込みで短絡的な市場把握をしているときは、消費者の原点に戻るしかない。このレベルのインタビューは担当者自身がまず、ヒョイヒョイと自分で行ってみるとよい( ワンポイントレッスン4)。 — location: [2331](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2331) ^ref-28745
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もしかしたら「GO」できそうな要素があるときは、とりあえず仮説をポジティブに設定したほうがよい。そうすると、最終的に否定する場合でも、大きなモレは未然に防ぐことができる。 — location: [2391](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2391) ^ref-23930
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第一に、情報収集と分析の違いがわからない。 — location: [2397](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2397) ^ref-61520
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分析というのは、ある仮説を持ったときに、事実を読み込んだ結果出てくる意味合い( SO WHAT?)を指すのであって、事実の羅列ではない。 — location: [2401](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2401) ^ref-32297
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第二に、情報ネットワーク化が進めば進むほど、入手できる情報の範囲が広がるために錯覚が生じる。 — location: [2410](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2410) ^ref-662
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気をつけないと2つの問題に必ず直面する。1つは、個人情報などの良質な情報がますます得にくくなり、その範囲が急速に広がっていること。2つ目は、だれから得られた情報かという情報の信頼性が定かでないことに加え、ときには意図された歪んだ情報が多々存在するということだ。 — location: [2414](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2414) ^ref-33972
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得られた情報をもとに、仮説の重要性を認識したうえでポジティブに臨めば、「ありませんでした」ではなく、「私はこう推定しました」となるはず — location: [2424](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2424) ^ref-54474
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優れた能力と知識に相関関係はなく、むしろ一番の大きな違いは、とにかくよく考えていることと、そして自己責任において自分の結論( 仮説)を持って前向きに実行する力を備えていることだ。 — location: [2749](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2749) ^ref-57120
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「問題解決のプロフェッショナル」 になるためには、自己誘導型ミサイルのように、「走りながら解決する」のが最短かつ最善なのである。 — location: [2808](kindle://book?action=open&asin=B00S5Q23J2&location=2808) ^ref-19643
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