## Summary
この本は、アドラー心理学の考え方を哲学者と青年の対話形式で解説しています。「トラウマ」を否定し、人は「目的」のために感情や行動を選択すると説き、承認欲求から解放されて自分の人生を生きることの重要性を説いています。
**要約:**
アドラー心理学は、過去の原因ではなく、現在の目的によって人の行動が決定されると考える。他者からの承認を求めるのではなく、自己受容と他者信頼を基盤に、他者貢献を通じて自分の人生における課題と向き合うことで、幸福な人生を歩むことができる。
**キーワード:**
アドラー心理学、目的論、承認欲求、共同体感覚、自己受容、他者信頼、他者貢献、課題の分離、幸福
**詳細:**
* **トラウマの否定:** アドラー心理学は、過去の経験が現在の人格や行動を決定づけるという「原因論」を否定する。人は過去の経験に影響されるのではなく、現在の目的のために感情や行動を選択する。
* **承認欲求からの解放:** 他者からの承認を求めることは、自分の人生を他者に委ねることになり、自由を失う。真の自由とは、他者にどう思われようと、自分の人生を自分で選択すること。
* **共同体感覚:** 個人は共同体の一員であり、他者との繋がりの中で生きている。他者貢献を通じて、自分の価値を実感し、幸福を感じることができる。
* **自己受容、他者信頼、他者貢献:** ありのままの自分を認め、他者を無条件に信頼し、他者貢献に努めることで、共同体感覚を高め、幸福な人生を築くことができる。
* **課題の分離:** 自分と他者の課題を切り離し、自分の課題に集中することで、人間関係のトラブルを減らすことができる。
* **水平関係:** 他者を評価したり、比較したりする「縦の関係」ではなく、対等な立場で接する「水平関係」を築くことが大切。
## Metadata
* Author: [岸見 一郎、古賀 史健](https://www.amazon.comundefined)
* ASIN: B00H7RACY8
* Reference: https://www.amazon.com/dp/B00H7RACY8
* [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B00H7RACY8)
## Highlights
自立すること 社会と調和して暮らせること — location: [1365](kindle://book?action=open&asin=B00H7RACY8&location=1365) ^ref-52323
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わたしには能力がある、という意識 人々はわたしの仲間である、という意識 — location: [1368](kindle://book?action=open&asin=B00H7RACY8&location=1368) ^ref-10459
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こうした承認欲求にとらわれている人は、他者を見ているようでいて、実際には自分のことしか見ていません。他者への関心を失い、「わたし」にしか関心がない。すなわち、自己中心的なのです。 — location: [2293](kindle://book?action=open&asin=B00H7RACY8&location=2293) ^ref-26096
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自分の人生における主人公は「わたし」である。ここまでの認識に問題はありません。しかし「わたし」は、世界の中心に君臨しているのではない。「わたし」は人生の主人公でありながら、あくまでも共同体の一員であり、全体の一部なのです。 — location: [2318](kindle://book?action=open&asin=B00H7RACY8&location=2318) ^ref-19089
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共同体感覚の議論は、ますます混迷の度合いを深めた。ほめてはいけない。そして叱ってもいけない。他者を評価する言葉は、すべて「縦の関係」から出てくる言葉で、われわれは「横の関係」を築いていかなくてはならない。そしてわれわれは自分が誰かの役に立っていると思えたときにだけ、自らの価値を実感できる。……この論理には、どこか大きな落とし穴がある。青年はそう直感していた。熱いコーヒーを飲みながら彼の脳裏をよぎったのは、自らの祖父だった。 — location: [2635](kindle://book?action=open&asin=B00H7RACY8&location=2635) ^ref-23865
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存在のレベルで考えるなら、われわれは「ここに存在している」というだけで、すでに他者の役に立っているのだし、価値がある。これは疑いようのない事実です。 — location: [2664](kindle://book?action=open&asin=B00H7RACY8&location=2664) ^ref-19516
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自己受容」と「他者信頼」、そして「他者貢献」の — location: [2862](kindle://book?action=open&asin=B00H7RACY8&location=2862) ^ref-13516
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