## Summary WIP ## Metadata * Author: [チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン、入山 章栄、渡部 典子、冨山 和彦](https://www.amazon.comundefined) * ASIN: B07N7G86KY * Reference: https://www.amazon.com/dp/B07N7G86KY * [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY) ## Highlights 私の理解では、本書の価値は少なくとも四つある。  第一に、先にも述べたように、おそらく世界で初めてambidexterity(両利きの経営) を明示的に中心テーマにしており、しかも、その第一線の研究者が書いた本だということだ。 — location: [24](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=24) ^ref-48296 --- 本書の第二の価値は、両利きの経営に関する事例を非常に豊富に集めた「良質な事例集」であることだ。両 — location: [45](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=45) ^ref-56381 --- 本書の第三の価値は、両利きの概念以外にも、イノベーションに関する経営学の重要な理論が紹介されていることだ。 — location: [50](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=50) ^ref-35360 --- そして本書の第四の価値であり、私から見ると本書の最も大きな貢献は、「両利きになるための最大の課題は、リーダーシップにある」と、二人が大胆に結論づけていることだ。両 — location: [58](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=58) ^ref-50264 --- 企業活動における両利きは、主に「探索(exploration)」と「深化(exploitation)」という活動が、バランスよく高い次元で取れていることを指す( — location: [74](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=74) ^ref-52529 --- なるべく自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうという行為が「探索」である。探索によって認知の範囲が広がり、やがて新しいアイディアにつながるのだ。しかし一方で、探索は成果の不確実性が高く、その割にコストがかかることも特徴だ。 — location: [85](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=85) ^ref-62172 --- 企業には、事業が成熟するに伴いどんどん深化に偏っていく傾向がある — location: [94](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=94) ^ref-51059 --- なぜなら第一には、先ほどから述べているように、人や組織は認知に限界があるので、どうしても「目の前の知」を見がちになるからだ。 — location: [95](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=95) ^ref-62713 --- 第二に、企業は社会の中で相手に信頼される必要がある。そして社会から信頼されるには、安定性・確実性が絶対条件となる。 — location: [98](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=98) ^ref-41589 --- コストとリスクを伴う上に成果が不確実な「探索」よりも、社会的な信頼を確保できる「深化」に向かってしまうのは、企業の必然といえるのだ。 — location: [102](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=102) ^ref-20821 --- さらにいえば、成功すればするほど深化に傾斜しやすい。そもそも自分たちの認識の外に出ようと試みるのは、「自分たちが考えていること、やっていることが間違っているかもしれない」という疑いを持つからだ。逆にいえば、ひとたび成功して「自分たちのやっていることは正しい」と認識すると、自分の認知している世界に疑念を持たなくなる。そこから抜け出せなくなるのだ。 — location: [103](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=103) ^ref-50949 --- ダイナミック・ケイパビリティは、カリフォルニア大学バークレー校のデイビッド・ティース教授らが一九九〇年代に提示した考え方であり、「環境変化が激しい中でも、企業が恒常的に変化して、対応し続ける能力」を指す。 — location: [114](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=114) ^ref-48874 --- 企業としては環境変化に合わせて動的(ダイナミック) に、さまざまなリソースを再構築し、組み合わせ続ける能力が求められる。この能力がダイナミック・ケイパビリティである。 — location: [122](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=122) ^ref-29635 --- 縦軸に「これまで事業を展開してきた既存市場か、新規市場か」を、横軸には「これまで用いてきた組織能力を使うか、それとも新しい組織能力が必要か」を置くことで四領域に分け、自分たちがめざしたい方向性や、潜在的な競合他社の可能性を探るのである。 — location: [131](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=131) ^ref-26807 --- VSRプロセスは、「多様化(variation) →選択(selection) →維持(retention)」という、生物進化学を応用した社会学の視点がベースとなっている。 — location: [140](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=140) ^ref-57542 --- 五〇年前であれば、いや二〇年前でも、経営者には時間がたっぷりとあった。変化への対応が少々遅れたとしても、挽回できたのだ。それがもはや通用しなくなっている。今日の世界では、変化の流れを逃したり、破壊的イノベーションに対応し損なったりすれば、企業はすぐに倒産に追い込まれてしまう。 — location: [391](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=391) ^ref-24942 --- 成熟事業の成功要因は 漸進 型の改善、顧客への細心の注意、厳密な実行だが、新興事業の成功要因はスピード、柔軟性、ミスへの耐性だ。その両方ができる 組織能力 を「両利きの経営(ambidexterity)」と私たちは呼んでいる。 — location: [406](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=406) ^ref-26201 --- 各社はダイナミック・ケイパビリティ、すなわち「企業が急速に変化する環境に対応するために、内外のコンピテンシーを統合、構築、再構成する能力」をうまく活用することができた ★ 11。 — location: [596](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=596) ^ref-26043 --- その結果、成熟事業(既存の強みを有効活用できる分野) と新領域(新しいことをするために既存の資源を使う分野) の両方で競争可能となっている。中核市場と技術を変えたから、失敗を免れ、変化し適応することができたのだ。 — location: [598](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=598) ^ref-59746 --- 詳しい説明は後述するが、簡単に言ってしまえば、こうした企業には、成熟事業における既存の資産と組織能力を有効活用し、必要に応じて、それを新しい強みにつくり替えることに前向きで、かつ、実際にやってのける「両利きの経営」のできるリーダーが存在したからである。 — location: [602](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=602) ^ref-2618 --- 失敗企業にはそれぞれ細かな違いがあるが、リーダーシップの失敗が見られる点で共通している。 — location: [645](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=645) ^ref-44365 --- 市場と技術の変化によって的外れなことをやっている状況にならないために、どうすれば効率性の向上によって既存の資産と組織能力を「深化・有効活用(exploitation)」しながら、十分に「探索・開拓(exploration)」するための準備ができるか、 — location: [653](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=653) ^ref-60857 --- イノベーションは概念上、三つの方向性(領域) で起こる可能性がある。 — location: [724](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=724) ^ref-54979 --- 一つ目は「漸進型イノベーション」だ。ほとんどの場合、製品やサービスをより速くするか、より安くするか、より良くすることをめざしていく。 — location: [725](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=725) ^ref-37668 --- イノベーションの第二の方向性は、大きな変化、もしくは、不連続的な変化によって起こり、組織能力が無効になるような技術進歩を通じて改善が図られる ★ — location: [731](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=731) ^ref-14010 --- 不連続型イノベーション」 — location: [741](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=741) ^ref-28642 --- 第三の方向性は、一見するとマイナーな改善によって起こり、既存の技術や構成要素を組み合わせることで既存の製品やサービスを大幅に向上させる ★ 23。 — location: [746](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=746) ^ref-36001 --- いわゆる「アーキテクチュアル・イノベーション」は — location: [748](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=748) ^ref-18335 --- が「破壊的イノベーション」と — location: [750](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=750) ^ref-44713 --- 組織能力以外にも、イノベーションには顧客基盤のインサイトが必要とされるのだ。 — location: [772](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=772) ^ref-44971 --- 次に 図1‐1 の観点から、ここまで解説してきた進化について考えてみよう。これはリーダーが次の動きを決めるための最も基本的なロードマップであり、イノベーションのジレンマの解決に役立つ。 — location: [773](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=773) ^ref-2806 --- 基本的に、深化とはこれまで以上にうまく事業を行うことだ。 — location: [775](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=775) ^ref-50401 --- マネジメントは確実に列車を定時運行させるのに対し、リーダーシップは適切な目的地に列車を確実に向かわせる。マネジメントは実践を、リーダーシップは戦略と変革を扱うのだ。長い時間をかけて組織を成功へと導くためにその両方が必要なことは、ほとんどの学者や実務家はすでに認識している。 — location: [925](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=925) ^ref-15474 --- サクセストラップが企業の直面する問題の根本原因だとすれば、どうすればこのジレンマを解決できるのだろうか。その答えはいたって簡単だ。戦略と調整の関係と、それが時間とともにどう変化するかを理解すればよい。 — location: [1094](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1094) ^ref-28476 --- アマゾンは新しい市場や商品を絶え間なく追求する中で、「意図的なダーウィン理論」という文化を築いてきた。それは、顧客満足へのこだわり、行動偏重、実験の繰り返し、倹約、直接的なフィードバック、継続的な結果測定を重視する文化だ。 — location: [1335](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1335) ^ref-43963 --- アマゾンの戦略を説明する際にベゾスが指摘するのは、顧客志向を打ち出す企業は多いが、そのうちの大半がそうなっていないことだ。その理由として、「企業はスキルを重視する。新しい分野に事業を広げようと考える際に、最初に考えるのは『なぜこれをやるべきなのか。自分たちにはその分野のスキルがない』点だ。こうなると、企業の寿命は有限になる。というのは、世の中は変わっていくため、かつては最先端スキルだったとしても、すぐに顧客には不要なものとなるからだ。それよりも『自社の顧客には何が必要か』から始まる戦略のほうがはるかに安定している。この問いかけをした後で、自社のスキルとのギャップを調べていくのだ」 ★ 21。 — location: [1353](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1353) ^ref-11178 --- 第2章で説明したように、変化に直面した組織が生き残るには、リーダーは相矛盾する二つの重要なことをやってのけなくてはならない。それは、継続的な漸進型のイノベーションや変革を通じて、既存の資産と組織能力を深化すること。そして、既存の資産と組織能力が新規参入者に対する競争優位となりうる新しい市場や技術を探索することだ。 — location: [1469](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1469) ^ref-31093 --- ピーター・ドラッカーが指摘するとおり、「すべての失敗は経営者の失敗である」。企業のリーダーには、確実に新しい脅威を察知し、組織の既存資産を再構成して新しい機会を捉える責任がある。これが、組織のリーダーが果たすべき役割の本質なのだ。 — location: [1667](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1667) ^ref-6294 --- 進化論の三つの基礎は、「多様化(variation)」(有機体や組織が違う特徴を持つ)、「選択(selection)」(これらの違いによって、その有機体が生き延びる能力に差が生じる場合がある)、「維持(retention)」(ある世代から次の世代へと、有益な特徴が受け継がれる可能性がある) だ[訳注:本書巻頭の「解説」で紹介したVSRプロセスを指す]。時間とともに環境が変化すると、特徴上の多様化がその有機体にうまく適合したりしなかったりする。 — location: [1865](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1865) ^ref-12581 --- 組織の観点でいうと、深化がマネジメントの問題だとすれば、探索は基本的にリーダーシップの問題である。 — location: [1895](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1895) ^ref-44193 --- する。「組織に突きつけられる基本的な問題は、現在の生存能力を確保するために十分な深化活動に関与すると同時に、未来の生存能力を確保するために十分なエネルギーを探索活動に捧げることだ」 ★ 45。 — location: [1906](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1906) ^ref-43041 --- イノベーションを起こすときには、 ① 新しい組織能力を身につける必要がある場合(新しい技術やビジネスモデルなど) と、 ② 新しい市場・顧客の組合せに対応する場合(顧客インサイトがない場合など) があった。そこで、技術やビジネスモデルのイノベーション(図3‐3の横軸) と市場・顧客(縦軸) について考えてみよう。 — location: [1914](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1914) ^ref-57961 --- 優良企業は外部変化に適応できるが、「ベストの企業は自分で変化をつくり出せる企業だ」と古森は指摘する ★ 52。 — location: [1993](kindle://book?action=open&asin=B07N7G86KY&location=1993) ^ref-5967 ---