## Metadata * Author: [エトムント・フッサール、立松 弘孝](https://www.amazon.comundefined) * ASIN: B01N760EG1 * Reference: https://www.amazon.com/dp/B01N760EG1 * [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1) ## Highlights ブレンターノがフッサールに与えた理論的な影響のうち最大のものは、やがて現象学の中心概念となる志向性の思想である。 — location: [190](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=190) ^ref-1254 --- ブレンターノの場合は、心理学と物理的自然科学の研究領域および研究方法の相違を明確にする目的で、心的現象と物理的現象の本質的な相違を考察し、そして前者のみが有する心理学的事実として「何かに対する志向的関係」という性格を発見し強調したのであった。 — location: [202](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=202) ^ref-62594 --- 志向性をダイナミックな機能概念、すなわち〈志向される対象にその存在の意味を付与する超越論的意識の構成的能作〉と解するフッサールの場合とは、大きな隔たりがあると言わねばならない(能作という現象学の術語は、上述したような特殊な機能ないし働きを意味する)。 — location: [206](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=206) ^ref-60597 --- 彼のいう現象とは、ブレンターノのいう心的現象の対象的相関者のことであり、彼は特に感覚的経験の直接的与件を第一次現象、その記憶形象を第二次現象と呼んでいる。彼によれば、これらの現象そのもの、およびその内的構造を分析し記述するのが現象学の課題であり、それに対して総体、概念、事態、価値などの、精神による形成物を研究するのが形相学、そしてそれら諸現象や形成物の諸関係を研究するのが関係論である。 — location: [225](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=225) ^ref-34430 --- 後に述べる現象学的還元の方法が欠落している点や、現象の領域と形相の領域を切り離している点など、フッサールの現象学とは根本的に異なる点が少なくない。 — location: [230](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=230) ^ref-29377 --- 仮に自分を哲学者と呼びうるとした場合に、私が自分自身のために是非とも解決せねばならない普遍的な課題をまず第一にあげるならば、それは理性の批判である。論理学的理性と実践理性、および価値判断理性一般の批判である。 — location: [272](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=272) ^ref-9191 --- ともあれ、哲学を学ぼうとするわれわれは、終戦直後の一九一九年からフッサールの許に学んだレヴィットが語る次の言葉をよく玩味すべきであろう。「フッサールは常づねわれわれに、才気をひけらかすような大言を避け、いっさいの概念を現象の直観によって吟味し、そして彼の質問に答える場合には、高額紙幣でなく、小銭で答えることを強く要求した。人びとがフランス軍によるフライブルク占領を怖れ、教室が空になったあの時代にも、最も細かい問題を論じたこの偉大な哲学者は、あたかも理論的研究の静かな厳粛さは、この世の何ものによっても妨げられないかのように、ますます泰然自若として講義をつづけていたのであり、私はその姿を忘れることができない。」 — location: [335](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=335) ^ref-14661 --- フッサールの研究態度を直截に伝える言葉として、フィンクの次の文章を紹介しておきたい。「フッサールの生涯を支配した純粋な根元的意志は、直観することへの意志、存在するものを明晰にありのままに見ようとする意志であった。彼は、もしも事象自身が〔理論が教えるものとは〕別の相貌を呈するならば、これまでに獲得したいっさいの認識と、いっさいの 定理 をいつでも破棄する用意があった。彼は命のつづく限り、自らを呈示する諸事象を凝視し、諸現象をロゴスの光で照らし明かそうとしたのである。」 — location: [346](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=346) ^ref-12085 --- 現象学的見方の基本的な特徴の一つは、相関関係的に考察することである。 — location: [434](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=434) ^ref-28167 --- 数それ自体、和それ自体は、心的作用そのものでも、特定の個人の心的表象でもなく、まさにイデア的な純粋概念であり、これらについてのリアルな心的作用や心的表象とは全く異質のものであることが強調されている(cf. LU. I, 170ff.)。なぜなら、数えたり加算したりする心的作用が瞬時にして生成消滅するのに対し、数と和それ自体は不変的に妥当し、恒存しているからである。 — location: [449](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=449) ^ref-19036 --- たとえば「客観性の《自体》はいったいどのようにして表象されるのであろうか。つまりどのようにして再び主観的になるのであろうか」( — location: [465](kindle://book?action=open&asin=B01N760EG1&location=465) ^ref-63478 ---