## Summary WIP ## Metadata * Author: [王丸典子](https://www.amazon.comundefined) * ASIN: B086QLHZ9R * Reference: https://www.amazon.com/dp/B086QLHZ9R * [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R) ## Highlights 自己肯定感とは、ありのままの自分を尊重して受け入れることであり、「自分に対する公平な評価」と言い換えることができます。 — location: [56](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=56) ^ref-46658 --- フェアシンキングとは、ネガティブに偏った思考を公平で客観的な方向から見直す思考法で、アメリカで広く心理カウンセリングの療法として用いられている「CBT(認知行動療法)」という心理療法をベースに、私が独自に考案したものです。 — location: [65](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=65) ^ref-52178 --- 自己肯定感の定義は人により違いますが、私は、心理学用語でいう「自尊心(self-esteem)」とほぼ同じ意味と捉えています。一般的には、自尊心という言葉は「うぬぼれ」「プライド」「尊大な心」といった意味で使われていますが、心理学的に解釈される自尊心とは、「自分に対する公平な評価」、そして「ありのままの自分を尊重し受け入れる心」という意味です。 — location: [276](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=276) ^ref-54241 --- ここで重要なのは、「公平な」視点で自分を評価し、ありのままの自分を尊重して受け入れること です。自分に対する評価がネガティブに偏り過ぎても、自分を誇大評価してうぬぼれや過信に陥っても、有意義な人生を歩むうえでは障害になります。 — location: [280](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=280) ^ref-4857 --- 心理学でいう完璧主義とは、万全を期すために努力し、過度に高い目標基準を設定し、自分に厳しい自己評価を課し、他人からの評価を気にする性格を特徴とする人のことを指します。 — location: [332](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=332) ^ref-46248 --- 状況に対応して非常に素早く、自分の意思とは関係なく自動的に湧き出てくる考えやイメージを、CBTでは「自動的な思考(自動思考)」 と呼びます。 — location: [541](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=541) ^ref-53440 --- CBTの土台となる考え方は、外界からの刺激に対して、まず 認知(自動的な思考) が生じ、 気分・感情、身体反応(体に起こる生理的な反応)、行動(外から見てわかる動作やふるまい) が生まれるというものです。 — location: [543](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=543) ^ref-19300 --- 意識的に認知や行動に変化を持たせることで、憂鬱な気分・ネガティブな感情や問題行動、身体症状を改善していこうというのが、CBTが目指すアプローチ です。 — location: [547](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=547) ^ref-52445 --- 第1章では、ストレスが脳の機能低下や萎縮をもたらすことを紹介しました。慢性的なストレスを受けると、不安や恐怖といった情動の中枢である脳の 扁桃 体 という部位が活性化。脳内でコルチゾールなどのストレスホルモンの分泌が増加し、理性的な判断など高次の脳機能をつかさどる 前頭 前 野 や、記憶をつかさどる 海馬 などの働きが低下します。ネガティブな思考や感情は、自分を追いつめる精神的ストレスとなり、脳の機能や構造までも変えてしまうのです。 — location: [619](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=619) ^ref-28756 --- 脳の可塑性とは、本人の経験や学習によって新しい神経細胞(ニューロン) が形成され、脳の神経回路にも変化が起こるというものです。 — location: [640](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=640) ^ref-46008 --- 一方、脳には自らを改変し再構成する可塑性が備わっています。 — location: [652](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=652) ^ref-64274 --- 偏った固定観念はネガティブな自動思考を生み出し、感情や思考パターンを負のスパイラルに導いてしまうことが多々あります。 — location: [680](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=680) ^ref-46455 --- そして、問題となる思考が湧いたとき、即座に「自分を助ける思考」を自分に言い聞かせます。これを行うことで「歪んだ解釈」が修正され、何度もくり返すうちに「自分を助ける思考」が意識の中に根づいていきます。 その結果、潜在意識が上書きされ、価値観や固定観念もバランスの取れた望ましいものに変わっていくのです。 — location: [733](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=733) ^ref-48017 --- 価値観や固定観念は、自分にとってあまりに当たり前になっている「自分の中での常識」であり、人それぞれ違い、大体において偏っている — location: [789](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=789) ^ref-25911 --- フェアシンキングのトレーニングは、以下の5つのステップからなります。 ①「思考の仕分け」をして、自分が今いちばん解決したい問題に焦点を当てる ②問題に遭遇したとき、自分の頭によぎる「自動的な思考」を認識する ③「自動的な思考」に伴って湧いてくる自分の感情を認識する (ここまでがトレーニング前の思考パターンの確認です) — location: [800](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=800) ^ref-64795 --- ④ 「自動的な思考」がフェア(客観的で公平) なものであるか見直して、それにかわる「自分を助ける思考」を考える ⑤考えついた「自分を助ける思考」を検証し、今の自分が受け入れられるものを選ぶ →⑤をくり返し自分に言い聞かせ、実践する — location: [806](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=806) ^ref-54747 --- 「自分を助ける思考」についても同様です。ネガティブ思考をくつがえすポジティブな考え方であっても、感情レベルで納得できなければ、それは「自分を助ける思考」としては役に立ちません。たとえば、新しい仕事に挑戦するのが怖い人に「自分の能力が評価される絶好のチャンスだ」といった、100%ポジティブな考え方をぶつけても、全く心に響かないでしょう。 — location: [923](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=923) ^ref-12198 --- フェアシンキングにおける「自分を助ける思考」は、必ずしもポジティブである必要はありません。 今の自分が感情的に受け入れられるものを選ぶことが大切です。 — location: [927](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=927) ^ref-14135 --- ①八方ふさがりの気持ちが軽くなるには、どのように考えるとよいか? ②自分の責任ではないとしたら、どのような見方ができるか? ③自分が尊敬できる人物なら、なんと言うだろう? — location: [955](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=955) ^ref-58254 --- ④自分を信用してくれる人なら、どう考えるだろう? ⑤「勇気ある理想の自分」なら、どう考えるだろう? ⑥「自分が本当に望むこと」はなんだろう? ⑦自分は、人から非難されるようなことをしただろうか? ⑧自分は、人から嫌われるようなことをしているだろうか? ⑨物理的に無理なことに挑戦している場合は、どのように考えるべきか? ⑩自然の摂理に挑戦するような場合は、どう考えるとよいか? — location: [958](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=958) ^ref-22214 --- 物事をなんでも真面目に考えてしまう人や、「正しいかどうか」にこだわり過ぎる人は、なかなか「自分を助ける思考」が思い浮かばない傾向にあります。 — location: [976](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=976) ^ref-1582 --- フェアシンキングにおける「自分を助ける思考」は、必ずしも「正しい考え」でなくてもかまいません。また、 こちら で説明したとおり、いわゆる「ポジティブ思考」でなくてもけっこうです。 — location: [978](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=978) ^ref-19537 --- 健全な自己肯定感を持っている人は、ポジティブな側面もネガティブな側面も含めて、ありのままの今の自分を受け入れて(フェアに評価して)、以下のような思考を、意識的または無意識的に自分の中に持っています。 ● 自分はできる ● 自分は生きている価値がある ● 自分自身も他人も信頼できる ● 自分は愛されている ● 周囲から必要とされている ● 自分は幸せになる価値があり、自分を幸せにできる力もある — location: [1007](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=1007) ^ref-37968 --- 相手に対する怒りや不平不満を押し殺していると、自分は意識しなくても、心理学用語でいう「受動的攻撃行動」を取っている場合が多いからです。  受動的攻撃行動とは、否定的な感情を相手に直接ぶつけるのではなく、消極的・否定的な態度を取ることで、相手を攻撃しようとする行動です。たとえば、不満げな表情や口調で返事をする、わざと大きな音を立ててドアを閉める、頼まれたことを忘れていたふりをする、などが挙げられます。  受動的攻撃行動は、相手を確実に不愉快な気分にさせます。しかし、フェアシンキングで相手に対する怒りや不平不満が減れば、受動的攻撃行動も出にくくなり、それだけでも人間関係がスムーズになるのです。 — location: [1064](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=1064) ^ref-57517 --- フェアシンキングで自分の思考を客観的に見直すことで、 ポジティブな面とネガティブな面の両方から物事を見られるようになり、冷静に納得したうえで答えを出せるようになります。 — location: [1075](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=1075) ^ref-39039 --- どのような決断をするにせよ、 人生では、自分で納得をして答えを出すことが非常に大切 です。 — location: [1115](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=1115) ^ref-36220 --- 自他ともに認められる存在」となるには、他人の評価ばかりを気にせず、「自分がどういう人でありたいか」を明確にし、その姿に近づくことを楽しみながら行うことが大切です。 — location: [1523](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=1523) ^ref-1028 --- 「今の自分はダメだ」という自己否定からスタートするのではなく、「こんな人物になれたらいいな」と、素直に思えるような性質・特長を挙げていきましょう。スケールが大きいものでもかまいません。また、具体的な理想の人がいれば、その人の特長を書き出してみるのも有効です。 — location: [1527](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=1527) ^ref-14618 --- 考えてもしかたがないことをいつまでもグルグルと考えてしまう状態に陥ったとき、ひとまず思考を凍結することを、心理学では「Thought Stopping(思考ストップ)」 と呼び、心の平安向上のテクニックとして、よく用いられます。 — location: [1636](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=1636) ^ref-57118 --- 17 世紀のスペインの哲学者バルタサル・グラシアンは、こんな言葉を残しています。   Respect yourself if you would have others respect you.  (周りから尊敬されたかったら、まず自分を敬え) — location: [1658](kindle://book?action=open&asin=B086QLHZ9R&location=1658) ^ref-11819 ---