# ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則
## Metadata
* Author: [ジム コリンズ、山岡 洋一](https://www.amazon.comundefined)
* ASIN: B00MVM2HIS
* Reference: https://www.amazon.com/dp/B00MVM2HIS
* [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS)
## Highlights
・飛躍した企業は、偉大になるために「なすべきこと」に関心を集中させたわけではなかった。それと変わらぬほど、「してはならないこと」と「止めるべきこと」を重視している。 — location: [337](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=337) ^ref-34295
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・飛躍した企業は変化の管理、従業員の動機付け、力の結集にはほとんど注意を払っていなかった。条件が整っていれば、士気、力の結集、動機付け、変化といった問題はほぼ消滅する。 — location: [342](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=342) ^ref-3909
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第五水準のリーダーシップ — location: [370](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=370) ^ref-13144
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パットン将軍やカエサルよりも、リンカーンやソクラテスに似ている。 — location: [375](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=375) ^ref-28713
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最初に人を選び、その後に目標を選ぶ — location: [376](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=376) ^ref-12933
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最初に適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、適切な人がそれぞれにふさわしい席に坐ってから、どこに向かうべきかを決めている。「人材こそがもっとも重要な資産だ」という格言は間違っていた。人材が最重要の資産なのではない。適切な人材こそがもっとも重要な資産なのだ。 — location: [378](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=378) ^ref-6056
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厳しい現実を直視する(だが、勝利への確信を失わない) — location: [381](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=381) ^ref-35093
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どんな困難にぶつかろうとも、最後にはかならず勝てるし、勝つのだという確信が確固としていなければならない。だが同時に、それがどんなものであろうとも、きわめて厳しい現実を直視する確固たる姿勢をもっていなければならない。 — location: [385](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=385) ^ref-16012
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針鼠 の概念(三つの円のなかの単純さ) — location: [387](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=387) ^ref-57338
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規律の文化 — location: [392](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=392) ^ref-10609
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どの企業にも文化があり、一部の企業には規律がある。しかし、規律の文化をもつ企業はきわめて少ない。 — location: [392](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=392) ^ref-18829
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促進剤としての技術 — location: [396](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=396) ^ref-45716
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弾み車と悪循環 — location: [399](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=399) ^ref-22866
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偉大な企業への飛躍は、結果をみればどれほど劇的なものであっても、一挙に達成されることはない。 — location: [401](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=401) ^ref-37567
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第五水準の指導者は、自尊心の対象を自分自身にではなく、偉大な企業を作るという大きな目標に向けている。 我 や欲がないのではない。それどころか、信じがたいほど大きな野心をもっているのだが、その野心はなによりも組織に向けられていて、自分自身には向けられていない。 — location: [516](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=516) ^ref-57924
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第五水準の指導者は二面性の典型例だといえる。謙虚だが意思が強く、控えめだが大胆なのだ。 — location: [552](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=552) ^ref-49504
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第五水準のリーダーシップが謙虚さや控えめさだけではない点を理解することがきわめて重要だ。もうひとつ、極端なまでの不屈の精神、禁欲的なまでの決意によって、偉大な企業に飛躍させるために必要な点は何であれ実行する姿勢がなくてはならない。 — location: [729](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=729) ^ref-30024
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第五水準の指導者は成功を収めたときは窓の外を見て、成功をもたらした要因を見つけ出す(具体的な人物や出来事が見つからない場合には、幸運をもちだす)。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える(運が悪かったからだとは考えない)。 — location: [842](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=842) ^ref-19000
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第五水準のリーダーシップ — location: [912](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=912) ^ref-13144
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第五水準の指導者は個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さという矛盾した性格をあわせもっている。 — location: [915](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=915) ^ref-54657
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五水準の指導者は成功を収めたときは窓の外を見て、自分以外に成功をもたらした要因を見つけ出す。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える。 — location: [924](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=924) ^ref-28426
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第一に、「何をすべきか」ではなく「だれを選ぶか」からはじめれば、環境の変化に適応しやすくなる。 — location: [950](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=950) ^ref-55033
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第二に、適切な人たちがバスに乗っているのであれば、動機付けの問題や管理の問題はほぼなくなる。 — location: [955](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=955) ^ref-16222
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第三に、不適切な人たちばかりであれば、正しい方向が分かり、正しい方針が分かっても、偉大な企業にはなれない。 — location: [958](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=958) ^ref-38832
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まずはじめに適切な人をバスに乗せ、不適格な人をバスから降ろし、その後にどこに行くかを決めること、これがこの章の要点である。 — location: [1011](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1011) ^ref-30822
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だれを選ぶか」をまず決めて、つぎに「何をすべきか」を決める考え方である。ビジョンも、戦略も、戦術も、組織構造も、技術も、「だれを選ぶか」を決めた後に考える。 — location: [1036](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1036) ^ref-40201
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適切な経営陣をバスに乗せれば、経営陣は偉大な会社を築くために全力をつくす。それも、その結果得られる報酬のために努力するのではなく、偉大だとはいえない状況には満足できないから努力するのだ。 — location: [1116](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1116) ^ref-23575
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当社の鉄鋼労働者は世界でもっとも仕事熱心だ。五人が十人分の仕事をして、八人分の賃金を受け取っている」( — location: [1141](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1141) ^ref-50317
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どういう人が「適切な人材」なのかを判断するにあたって、飛躍を遂げた企業は学歴や技能、専門知識、経験などより、性格を重視している。 — location: [1149](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1149) ^ref-11952
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性格や労働観、基礎的な知能、目標達成の熱意、価値観はもっと根深いものだとみている — location: [1152](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1152) ^ref-24293
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これら企業の文化は冷酷ではない。厳格なのだ。 — location: [1166](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1166) ^ref-56892
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冷酷とは、事業環境が悪くなると人員を大幅に削減したり、普段でも、真剣に検討することなく気まぐれに解雇したりすることを意味する。厳格とは厳しい基準をつねに、組織内のすべての階層に適用し、とくに上層部に厳しく適用することを意味する。厳格であって冷酷ではないのであれば、優秀な従業員は自分の地位を心配することなく、仕事に全神経を集中させることができる。 — location: [1167](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1167) ^ref-45434
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第一の実際的な方法‐疑問があれば採用せず、人材を探しつづける — location: [1223](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1223) ^ref-19158
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パッカードの法則」 — location: [1224](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1224) ^ref-7736
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どの企業も、成長を担う適切な人材を集められるよりも速いペースで売上高を増やしつづけながら、偉大な企業になることはできない。 — location: [1226](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1226) ^ref-29143
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偉大な企業を築いてきた人たちは皆、企業が成長していくときに最大のボトルネックになるのが、市場でも技術でも競争でも製品でもないことを理解している。どの要因よりも重要な点がある。それは適切な人びとを採用し維持する能力である。 — location: [1229](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1229) ^ref-36837
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第二の実際的な方法‐人を入れ換える必要があることが分かれば、行動する — location: [1260](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1260) ^ref-8054
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最高の人材は管理を必要としない。指針を与え、教え、導く必要はある。だが、しっかり管理する必要はない。 — location: [1262](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1262) ^ref-53852
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飛躍した企業では、経営陣の離職時期が両極端に分かれていた。バスに長期にわたって乗りつづけているか、そうでなければごく早い時期にバスから降りている。言い換えれば、飛躍した企業では、経営陣の回転率が高いわけではないが、回転のパターンがすぐれている。 — location: [1288](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1288) ^ref-10250
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時間を十分にかけて、はじめからAクラス上位の人を厳格に選ぼう。人選が正しければ、その人物が長くつとめてくれるように、できるかぎりのことをしよう。人選が間違っていれば、間違いを認めて、われわれは自分たちの仕事を続けられるようにし、相手も自分の人生を追求できるようにしよう」 — location: [1292](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1292) ^ref-19359
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適切な人材を適切な場所にあてるために費やす一分間は、後の何週間分にもあたる価値がある」と — location: [1300](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1300) ^ref-14778
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坐っている席が悪いだけなのか、それともバスから降ろすべきなのかを確認できるようになるまでには時間がかかる場合がある。とはいえ、飛躍をもたらした指導者は人を入れ換えなければならないと分かったとき、行動している。 — location: [1308](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1308) ^ref-40727
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第三の実際的な方法‐最高の人材は最高の機会の追求にあて、最大の問題の解決にはあてない — location: [1314](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1314) ^ref-64350
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飛躍した企業は、最高の人材を最高の機会の追求にあてており、最大の問題の解決にはあてていない。 — location: [1334](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1334) ^ref-41597
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この点に関連して、もうひとつ重要なことがある。問題の部門を売却する決定をくだしたとき、優秀な人たちを一緒に売り渡してはいけない。優秀な人たちにはいつもバスに座席が確保されているようにすれば、優秀な人たちが行く先の変更を支持する可能性が高くなる。 — location: [1337](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1337) ^ref-27226
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第五水準の経営陣の一員は権威に盲従するような人物ではない。個人としてみても強い指導力をもっており、意欲と能力が十分にあるので、自分が担当する部門を世界最高級の事業に育て上げる。そして経営陣の一員として、会社を偉大な企業にするために必要なことをすべて行う方向に、それぞれの強みを活かしていく能力がなければならない。 — location: [1361](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1361) ^ref-26870
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偉大な企業への飛躍を達成するために不可欠な要因のひとつは、少々逆説的だともいえる。経営陣が、一方では、最善の答えを探し出すために活発に議論し、ときには激論をかわさなければならない。その一方では、方針が決まれば、自分が担当する部門の利害を超えて、決定を全面的に支持しなければならない。 — location: [1365](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1365) ^ref-40703
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適切な人を集める能力が高く、適切な人材を適切な場所にあてていたので、昼も夜も長時間はたらかなければならない状況にはならなかった。 — location: [1387](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1387) ^ref-33857
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最初に人を選び、その後に目標を選ぶ — location: [1419](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1419) ^ref-12933
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従業員や幹部が何よりも注意すべき現実として、社外の現実ではなく、自分の顔色を心配するような状況を経営者が許していると、会社は凡庸になり、もっと悪い方向にすら進みかねない。カリスマ的な指導者よりも、それほどカリスマ的でない指導者の方が、長期的な実績が良くなることが多い理由のひとつはここにある。 — location: [1600](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1600) ^ref-61466
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経営者が強い個性をもっているとき、部下が厳しい現実を報告しなくなれば、問題の種を 蒔く結果になりかねない。カリスマ性の弱みを克服することは可能だが、それには意識的な努力が必要だ。 — location: [1605](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1605) ^ref-35513
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リーダーシップの要点はビジョンである。これは事実だ。だが、それと変わらぬほど重要な点に、真実に耳を傾ける社風、厳しい事実を直視する社風を作ることがある。「自分の意見を言える」機会と、「上司が意見を聞く」機会との間には天地の開きがある。偉大な企業への飛躍を導いた指導者は、この違いを理解しており、上司が意見を聞く機会、そして究極的には真実に耳を傾ける機会が十分にある企業文化を作り上げている。 — location: [1635](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1635) ^ref-21474
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偉大さへと導くとは、まず答えを考え、理想を実現するビジョンに向けて人びとの意欲を引き出すことを意味しているわけではない。答えを出せるほどには現実を理解できていない事実を謙虚に認めて、最善の知識が得られるような質問をしていくことを意味する。 — location: [1669](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1669) ^ref-54944
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偉大さへの飛躍を遂げた企業はすべて、激しい議論を好む傾向をもっている。「大声での論争」「白熱した議論」「健全な対立」といった言葉が、すべての会社の記事やインタビュー記録に繰り返しでてくる。 — location: [1699](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1699) ^ref-61685
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解剖を行い、非難はしないようにすれば、真実に耳を傾ける社風を作る点で大きく前進できる。適切な人たちがバスに乗るようにしていれば、だれかに責任を押しつける必要はまずなくなり、理解し学ぶことに専念できる。 — location: [1724](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1724) ^ref-2398
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カギは情報の質にはない。入手した情報を無視できない情報に変えられるかどうかがカギである。 — location: [1746](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1746) ^ref-22008
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厳しい現実に直面したとき、偉大な企業は強くなり士気が高くなっているのであって、弱くなったり士気が落ちたりはしていない。厳しい現実を真っ向から見据えて、「われわれは決して諦めない。決して降伏しない。時間がかかるとしても、かならず勝つ方法を見つけ出す」と宣言すれば、気分は高揚する。 — location: [1806](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1806) ^ref-10858
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研究によれば、危機に直面した人たちのその後は三つに分類できる。危機の打撃から立ち直れない人たち、普通の生活に戻る人たち、危機の経験を糧にして強くなる人たちである( 53)。飛躍した企業は第三のグループに似ており、「不撓不屈要因」をもっている。 — location: [1817](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1817) ^ref-26882
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違いをもたらすのは、困難にぶつかるかぶつからないかではない。人生のなかでかならずぶつかる困難にどう対応するかだ。 — location: [1909](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1909) ^ref-51594
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ストックデールの逆説 どれほどの困難にぶつかっても、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならない。 そして同時に — location: [1914](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1914) ^ref-38289
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それがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなければならない。 — location: [1916](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1916) ^ref-52402
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厳しい現実を直視する — location: [1946](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1946) ^ref-54465
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バーリンはこの短い寓話に基づいて、人間を狐型と針鼠型という二つの基本型に分類した。狐型の人たちはいくつもの目標を同時に追求し、複雑な世界を複雑なものとして理解する。「力を分散させ、いくつもの動きを起こしており」、全体的な概念や統一のとれたビジョンに考えをまとめていこうとはしない。これに対して針鼠型の人たちは、複雑な世界をひとつの系統だった考え、基本原理、基本概念によって単純化し、これですべてをまとめ、すべての行動を決定している。世界がどれほど複雑であっても、針鼠型の人たちはあらゆる課題や難題を単純な、そう、単純すぎるほど単純な針鼠の概念によってとらえる。針鼠型の人たちにとって、針鼠の概念に関係しない点は注目するに値しない。 — location: [1988](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=1988) ^ref-14493
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針鼠型の人たちは愚かなのではない。本質を深く見抜く力をもっているために、複雑さの奥にある基本的なパターンを把握できるのだ。針鼠型の人たちは本質を見抜き、本質以外の点を無視する。 — location: [2004](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2004) ^ref-47980
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飛躍した企業はすべて、きわめて単純な概念を確立して、これを判断基準としてすべての決定をくだしていた。 — location: [2074](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2074) ^ref-57607
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偉大な実績に飛躍した企業と比較対象企業との間には、戦略に二つの基本的な点で決定的な違いがあった。第一に、飛躍した企業では、戦略の策定の基礎として、三つの主要な側面を深く理解している。これらの側面をわれわれは、「三つの円」と呼ぶようになった。第二に、飛躍した企業では、この深い理解を単純で明快な概念にまとめ、この概念をすべての活動の指針にしている。これが「針鼠の概念」である。 — location: [2084](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2084) ^ref-10712
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自社が世界一になれる部分はどこか(同様に重要な点として、世界一になれない部分はどこか)。 — location: [2089](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2089) ^ref-47398
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経済的原動力になるのは何か。 — location: [2093](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2093) ^ref-36556
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情熱をもって取り組めるのは何か。 — location: [2096](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2096) ^ref-7993
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三つの円を素早く理解するには、企業についてではなく、自分の仕事について考えてみるといい。 — location: [2100](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2100) ^ref-35988
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「自分たちが理解している部分に全力を集中し、自負心によってではなく、自分たちの能力によって何をするかを決めている」( — location: [2113](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2113) ^ref-10746
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針鼠の概念は、最高を目指すことではないし、最高になるための戦略でもないし、最高になる意思でもないし、最高になるための計画でもない。最高になれる部分はどこかについての理解なのだ。この違いは、まさに決定的である。 — location: [2144](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2144) ^ref-46397
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針鼠の概念はあきらかに、 中核的能力 と同じではない。何らかの部分に能力があっても、それで世界一になれるとはかぎらない。 — location: [2181](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2181) ^ref-44084
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どこにも負けない事業になりうる部分だけに注力することが、偉大な企業への唯一の道である。 — location: [2200](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2200) ^ref-424
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分母に何を選ぶかという問いに答えようとすれば、自社の経済的原動力を強化するカギを深く理解しないわけにはいかなくなる。 — location: [2301](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2301) ^ref-12825
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情熱は作りだせるものではない。「動機付け」によって情熱を感じるよう従業員を導くこともできない。自分が情熱をもてるもの、周囲の人たちが情熱をもてるものを発見することしかできない。 — location: [2381](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2381) ^ref-407
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針鼠の概念を確立すると、霧は晴れ、見通しもよくなり、何キロも先まではっきりと見えるようになる。分かれ道でどちらに行くか迷うことも少なくなる。恐る恐るの前進が並み足になり、並み足が駆け足になる。針鼠後の状態では、何キロもの道のりもあっという間になり、以前なら濃霧に包まれて判断に迷った分かれ道でも、進路に迷うことはない。 — location: [2417](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2417) ^ref-47996
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第一に、比較対象企業は適切な問い、二つの円で示された問いを立てていない。第二に、目標と戦略を設定するにあたって、現実の理解に頼るのではなく、虚勢に頼っている。 — location: [2426](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2426) ^ref-13038
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飛躍した企業は、針鼠の概念を確立するまでに平均四年かかっている。科学の理論がそうであるように、針鼠の概念が確立できれば、複雑な世界を単純明快に理解できるようになり、その後の意思決定がはるかに容易になる。 — location: [2469](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2469) ^ref-10049
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針鼠の概念を確立しようとするとき、もっとも大切な点は、厳しい現実を直視し、三つの円に基づく問いに導かれて、適切な人たちが活発に議論をかわし、論争を行うことである。 — location: [2474](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2474) ^ref-49889
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この点で世界一になれる」というのは事実の認識である。空が青いとか草が緑色だというのと変わらない事実の認識なのだ。針鼠の概念を正しく把握できたとき、真実をつかめたという静かな感動が生まれる。 — location: [2517](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2517) ^ref-34519
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妻はトライアスロンでほんとうに世界一になれるかどうか、分かっていたわけではない。しかし、世界一になる可能性があること、手が届く目標であること、夢に酔っているわけではないことを妻は認識していた。そしてこの認識が違いをもたらしている。この認識は、平凡な人生から偉大な人生に飛躍したいのであれば、不可欠なものであり、偉大になれなかった人たちがたいていは獲得できなかったものである。 — location: [2538](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2538) ^ref-49025
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針鼠の概念 — location: [2543](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2543) ^ref-59861
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自社が世界一になれる部分はどこか、そして同様に重要な点として、世界一になれない部分はどこかを理解することである(世界一に「なりたい」分野ではない)。針鼠の概念は目標ではないし、戦略でもないし、意図でもない。理解である。 — location: [2547](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2547) ^ref-15053
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規律の文化と起業家の精神、 — location: [2602](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2602) ^ref-63706
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三つの円が重なる部分で、熱狂的といえるほど針鼠の概念を維持して、規律ある行動をみながとる文化を築き上げることで — location: [2641](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2641) ^ref-60661
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偉大な実績に飛躍した企業は、はっきりした制約のある一貫したシステムを構築しているが、同時に、このシステムの枠組みの中で、従業員に自由と責任を与えている。みずから規律を守るので管理の必要のない人たちを雇い、人間ではなく、システムを管理している。 — location: [2681](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2681) ^ref-44763
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転換の第一段階は規律のある人材だ。 — location: [2699](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2699) ^ref-50137
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第二の段階は規律ある考えだ。 — location: [2701](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2701) ^ref-36581
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最後に、規律ある行動が — location: [2703](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2703) ^ref-46949
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規律ある行動は、みずから規律を守る人たちがいなければ持続させることができない。そして、規律ある考えがない状態で規律ある行動をとれば、悲惨な結果になる。 — location: [2705](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2705) ^ref-6078
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規律」「厳しい」「根気強い」「断固として」「熱心」「几帳面」「綿密」「組織的」「整然と」「職人のように」「厳格」「一貫性のある」「絞り込んだ」「責任ある」「責任をとる」といった言葉が、飛躍した企業に関する記事、インタビュー、原資料には繰り返し使われていた。 — location: [2712](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2712) ^ref-42369
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偉大な企業では、第五水準の指導者が持続性のある規律の文化を築き上げている。これに対して飛躍を持続できなかった比較対象企業では、第四水準の経営者が強烈な力を発揮し、ひとりで組織に規律をもたらしていた。 — location: [2784](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2784) ^ref-11748
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大きな機会にぶつかって「ありがたいが見送りたい」と言うには、規律が必要だ。「一生に一度の機会」であっても、三つの円が重なる部分に入っていないのであれば、飛びつく理由はまったくない。 — location: [2925](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=2925) ^ref-48280
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予算編成とは、それぞれの活動にどれだけの資金を割り当てるかを決めるものではない。どの活動は針鼠の概念に最適で、したがって集中的に強化すべきか、どの活動は完全に廃止すべきかを決めるものである。 — location: [3020](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3020) ^ref-25124
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選択が正しいかどうか、どうして分かるのだろうか。各社を調査していった結果、すべての要素を揃えていけば、正しい選択を行うのはそれほどむずかしくはないことが分かった。第五水準の指導者がいて、適切な人をバスに乗せ、厳しい現実を直視する規律をもち、真実に耳を傾ける社風を作りだし、評議会を作って三つの円が重なる部分で活動し、すべての決定を単純明快な針鼠の概念にしたがってくだし、虚勢ではなく現実の理解に基づいて行動すればいい。 — location: [3044](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3044) ^ref-41203
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最大の問題は、正しい選択が何なのかが分かったとき、正しいことを行う規律をもち、それと同様に大切な点として、不適切なことを止める規律をもつことである。 — location: [3049](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3049) ^ref-53000
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規律の文化 — location: [3051](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3051) ^ref-10609
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止めるべきこと」のリストは、「やるべきこと」のリストよりも重要である。 — location: [3073](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3073) ^ref-19459
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技術は業績の勢いの源ではなく、促進剤 — location: [3242](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3242) ^ref-35453
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針鼠の概念が明確になっておらず、三つの円の重なる部分に止まる規律がない場合、技術力で偉大な企業を築くことはできない。 — location: [3286](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3286) ^ref-36846
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たしかに技術は重要だ。技術面で遅れていては、偉大な企業にはなれない。しかし、技術そのものが偉大な企業への飛躍や偉大な企業の没落の主因になることはない。 — location: [3370](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3370) ^ref-58254
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しかしだれも、受け身の姿勢を示してはおらず、他社の動きにどう対応するかという観点から戦略を考えてはいない。何かを作り上げようと試みたとき、改善しようと試みたときはいつも、何らかの絶対的な基準に近づこうとしている。 — location: [3430](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3430) ^ref-1362
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促進剤としての技術 — location: [3465](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3465) ^ref-45716
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重要な点はこうだ。通常、偉大な企業への転換が外部からどう見えるかをもとに、内部で転換を経験した人たちがどう感じたはずかを考えている。外部から見れば、転換は劇的で、革命的ともいえるほどの飛躍だと思える。しかし内部から見れば、印象がまったく違っていて、生物の成長に似ている。 — location: [3559](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3559) ^ref-42334
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変化は一気に進められたわけではない。徐々に進められていったので、数年たってからでないと、だれの目にも明らかだといえるほどにはならなかった」と — location: [3580](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3580) ^ref-19827
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偉大さへの飛躍を遂げた企業はあきらかに、信じがたいほど意欲を引き出し、力を結集させ、変化を見事に管理してきた。しかし、その点を考えるのに、あまり時間を費やしていない。まったく自明の点だったのだ。条件がうまく整えば、意欲や力の結集や動機付けや改革への支持は問題ではなくなる。これらの点は自然に解決する。この点をわれわれは学んだ。 — location: [3719](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3719) ^ref-59939
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みなが確認できるような形で、実績を示していった。ひとつの段階を成功させてからつぎの段階に移るように計画をたてた。こうして、従業員の大多数が言葉によってではなく、成功ぶりをみて計画の正しさを確認できるようにし — location: [3729](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3729) ^ref-35875
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弾み車に語らせる方法をとれば、目標を熱心に伝える必要はない。 — location: [3750](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3750) ^ref-37945
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弾み車と悪循環 — location: [3875](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3875) ^ref-22866
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さを持続できる転換は、準備段階から突破段階に移行するパターンをつねにたどっている。巨大で重い弾み車を回転させるのに似て、当初はわずかに前進するだけでも並大抵ではない努力が必要だが、長期にわたって、一貫性をもたせてひとつの方向に押しつづけていれば、弾み車に勢いがつき、やがて突破段階に入る。 — location: [3881](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=3881) ^ref-11058
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偉大さの永続のためには基本的価値観が不可欠だが、基本的価値観がどのようなものなのかはとくに重要ではないように思えるのだ。どのような基本的価値観をもっているかではなく、基本的価値観をもっているのかどうか、基本的価値観が社内で知られているか、基本的価値観を組織に組み入れているか、長期にわたって基本的価値観を維持しているのかが問題なのだ。 — location: [4048](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=4048) ^ref-16515
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永続する偉大な企業は、基本的な価値観と目的を維持しながら、事業戦略や事業慣行では世界の変化にたえず適用している。これが「基本理念を維持し、進歩を促す」魔法の組み合わせである。 — location: [4055](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=4055) ^ref-9160
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ANDの才能 — location: [4091](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=4091) ^ref-30169
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AかBか」を選ぶのではなく、「AとBの両方」を実現する方法を考える。 — location: [4092](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=4092) ^ref-47824
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悪いBHAGは虚勢によって設定されたものであり、良いBHAGは理解によって設定されたものである。三つの円が重なる部分に関する静かな理解に、BHAGの大胆さがくわわれば、魔法に近いとすらいえる強力な組み合わせになる。 — location: [4162](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=4162) ^ref-5405
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長期にわたって偉大な企業でありつづけるには、一方では、三つの円が重なる部分にしっかりと止まりつづけなければならないが、その一方では、三つの円が重なる部分をどのように具体化するのかは、それぞれの時点で変更していく意思をもたなければならない。 — location: [4197](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=4197) ^ref-22039
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いま実行している点のうちかなりの部分が、せいぜいのところ力の無駄遣いである事実を認識することにある。仕事時間のうち半分以上をこれら原則の適用にあて、それ以外の点は大部分無視するか、中止すれば、人生が単純になり、実績がはるかに向上する。 — location: [4234](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=4234) ^ref-21073
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ほんとうに問題なのは、「なぜ偉大さを追求するのか」ではない。「どの仕事なら、偉大さを追求せずにはいられなくなるのか」だ。「なぜ偉大さを追求しなければならないのか。そこそこの成功で十分ではないのか」と問わなければならないのであれば、おそらく、仕事の選択を間違えている。 — location: [4323](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=4323) ^ref-10937
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ビジネスでも人生でも、完全な失敗以外でもっとも危険なのは、成功を収めているが、なぜ成功したのかが分かっていない状態だ」 — location: [4400](kindle://book?action=open&asin=B00MVM2HIS&location=4400) ^ref-47284
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