## Summary
この本は、良好な人間関係を築き、リーダーシップを発揮するために必要な「聞く力」について解説しています。単に耳で音を聞くだけでなく、相手の言葉と感情を理解し、共感することが重要だと説いています。
**要約:**
聞く力は、人間関係構築、リーダーシップ、交渉など、様々な場面で重要となる武器である。効果的に聞くためには、テクニックだけでなく、相手への共感と敬意が不可欠である。
**キーワード:**
聞く力、共感、ラポール、信頼関係、自己開示、リーダーシップ、質問力、価値観、自己理解、相手理解
**詳細:**
* 聞くことは能動的な行為であり、相手の言葉だけでなく感情も理解する必要がある。
* 聞き上手になるには、相手の話しを遮らず、耳と心の両方を傾ける。
* 相手の言葉に共感することで、信頼関係が築かれる。
* 上司は部下の目線に立って話を聞くことが重要。
* 優れたリーダーは、相手が話しやすい場を作り、考えさせる質問をする。
* 初対面では、共通点を見つけることで第一印象が良くなる。
* 信頼関係は双方向であり、自己理解も深める必要がある。
* リーダーは、場の声を聞き、メンバーの主体性を引き出す。
* メンバーとの対話では、「Good and New」を聞くことが効果的。
* 相手の意図を明確にするには、理解したつもりにならない。
* 自分の価値観を知り、大切にすることで、他者も大切にできる。
* 相手の本音を引き出すには、聞き出そうとせず、自然に話せる雰囲気を作る。
* 関係性を築くには、段階的に自己開示していく。
* 指示や命令ではなく、相手の話を聞いてあげることで、部下や子供は動きやすくなる。
## Summary(手動)
- 「聞く力」とは「相手を理解する力」
- 相手の話の内容を理解する
- 相手の気持ちを理解する
- 共感(not 同感)
- ラポール
- 信頼関係を築くうえで大切な3原則と10のフレーズ
- 自己理解
- 自分は何を求めているのか?
- 相手とどのような関係を求めているのか?
- 自分が大切にしたいことは何か?
- 相手理解
- 相手は何を求めているのか?
- 相手はどのような関係を築きたいのか?
- 相手が大切にしたいことは何か?
- 相互理解
- お互いの共通点は何か?
- お互いが理解できていること、できていないことは何か?
- お互いに学び、成長できることは何か?
- お互いの関係をどう発展させていきたいか?
コミュニケーションのテクニック
- 優れたリーダーがやっている3つの聞く秘訣
- 相手が話しやすい場を作る
- 相手が返しやすい球を投げる
- 相手に考えさせる(主体性を引き出す)聞き方
- 聞く技術
- 相手が話しやすいテーマを聞く
- 相手の好き嫌いを聞く
- 相手の悩みを聞く
- 信頼関係をつくるうえで第一印象はとても大事(初頭効果)
- 第一印象をよくする方法 = 相手との共通点を見つける
- 共通点の3つの切り口
- 所有(Having)
- 行動(Doing)
- あり方(Being)
- 所有→行動→あり方というように段階的に共通点を見つけていくのが効果的
- 横の質問と縦の質問を使いこなす
- 相手の感情が動いていない場合には横の質問で相手の関心度を探る
- 感情が動いたところで縦の質問で深掘りする
- 信頼関係をつくる4つのフェーズ
- 基本情報の共有フェーズ
- 接触回数を増やすフェーズ
- インフォーマルな情報を共有するフェーズ
- 重要な情報を共有するフェーズ
- 自己理解
- 自分に対して誠実な人とは、自分の価値観を大切にしている人
- 自分に対して不誠実な人は、他者に対しても不誠実な対応をとってしまう
- 自分を大切にする方法
- 自分の価値観を知ること
- 価値観を具体的に定義すること
- 価値観を大切にするための行動をとること
- 相手に自然に話してもらう3つのスキル
- 聞く力
- 関係性を築く力
- 相手から情報を聞き出そうとしない
- 相手から自然と情報提供してもらえるような関係性を築く
- 与える力
- 相手の意図を明確にする2つのポイント
- 理解したつもりにならないこと
- 言葉の定義を確認すること
## Metadata
* Author: [國武大紀](https://www.amazon.comundefined)
* ASIN: B07LBNPCM7
* Reference: https://www.amazon.com/dp/B07LBNPCM7
* [Kindle link](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7)
## Highlights
人間関係のほとんどの問題は、自分が理解・共感してもらえないことから起こるからです。 相手に対し、どれだけロジカルに言葉を尽くして語ったとしても、相手に対する理解しようという思いや共感がなければ、人は動いてくれません。 — location: [36](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=36) ^ref-31185
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ただし、「聞く」といっても、ただ漠然と相手の話を耳に入れることではありません。「聞く」という行為は、受動的なものではなく、むしろ極めて能動的な行為です。 — location: [59](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=59) ^ref-22679
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「聞く」とは、「相手のよき理解者となる」ということでもあります。ゆえに、聞くこと自体は、たやすくとも、相手のよき理解者となるには、正しい聞き方を身につけていく必要があります。 — location: [65](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=65) ^ref-51433
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ひとつは、「相手の話の内容を理解する」こと。 そして、 もうひとつは「相手の気持ち(感情) を理解する」こと です。 — location: [204](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=204) ^ref-30535
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耳と心の両方を傾ける — location: [220](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=220) ^ref-29927
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聞き下手な人の典型は、「相手が話している途中で話を遮る人」です。 — location: [277](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=277) ^ref-25586
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この感情のこもった表現に呼応してあげるだけで相手は心地よくなるのです。これを「共感」といいます。 — location: [320](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=320) ^ref-25684
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「共感」と「同感」は同一視されがちですが、実は大きく異なります。 「共感」は、自分が同意していなくても、相手がどう感じているかがわかることを言います。 「同感」は、同じ気持ちになる、賛成する、ということです。 — location: [323](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=323) ^ref-26556
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結局、人は自分の話を聞いてもらいたい のです。 — location: [340](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=340) ^ref-46292
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「何を聞くか」も時として大切ですが、本当に大事なのは「どう聞くか」です。 — location: [375](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=375) ^ref-11232
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と、「聞く姿勢」を誤ってしまうと、相手の反感を買ったり、関係性が悪くなったりしてしまうのです。 — location: [391](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=391) ^ref-32905
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通じ合ったような親近感を強く感じるようになります。これを心理学用語で「ラポール」 — location: [438](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=438) ^ref-53648
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このように、「自己理解」、「相手理解」、「相互理解」が、人と人との信頼関係を築くうえで大切な3原則なのです。 — location: [502](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=502) ^ref-15139
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組織構造上、上下関係が前提となっているので、その関係性を離れて、部下と上司が水平関係をつくろうとしても心理的にとても難しいのです。 少なくとも、経験も浅い部下が上司目線になるのは無理があります。 なので、上司が聞き上手になるためには、上の立場にある上司の側が、部下の目線まで自分の意識を持っていくことが必要です。 — location: [543](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=543) ^ref-35451
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■ 優れたリーダーがやっている3つの聞く秘訣 — location: [595](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=595) ^ref-60945
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ひとつ目の秘訣は「相手が話しやすい場をつくる」です。 — location: [597](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=597) ^ref-12067
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2つ目の秘訣は、「相手が返しやすい球を投げる」です。 — location: [606](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=606) ^ref-38363
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最後3つ目の秘訣は、「相手に考えさせる(主体性を引き出す) 聞き方」です。 — location: [618](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=618) ^ref-47278
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「三流のリーダーは金を残す。二流のリーダーは事業を残す。一流のリーダーは人を残す」 — location: [620](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=620) ^ref-31180
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自ら出した答えは、自分を動かす力があります。おのずと主体的に動いてくれるようになるのです。 — location: [627](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=627) ^ref-29870
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ひとつ目のポイントは、「相手が話したいテーマを聞く」です。 — location: [643](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=643) ^ref-24011
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2つ目のポイントは、「相手の好き嫌いを聞く」です。 — location: [649](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=649) ^ref-24323
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3つ目のポイントは、「相手の悩みを聞く」です。 — location: [657](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=657) ^ref-65527
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心理学では「初頭効果」というものがあります。最初に与えた印象があとの印象にも影響を与え続ける、というものです。 — location: [673](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=673) ^ref-52786
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では、第一印象をよくするにはどうしたらいいのか? それは、「相手との共通点」を見つける ことです。 — location: [676](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=676) ^ref-32872
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まず、 共通点には、 ① 所有(Having)、 ② 行動(Doing)、 ③ あり方(Being) という3つの切り口 があります。 — location: [684](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=684) ^ref-28586
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第一印象をよくするためには、「所有」→「行動」→「あり方」というように段階的に共通点を見つけていくのが効果的 — location: [710](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=710) ^ref-50233
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そもそも信頼関係というのは、自分と相手との二者間における関係性ですから、一方通行では信頼関係は築けません。双方向である必要があります。 「信頼関係をつくるには相手をよく理解しなさい」と言われますが、それだけでは十分ではありません。双方向だから、自分のこともよく理解する必要があるのです。 — location: [727](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=727) ^ref-34714
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① 自分は何を求めているのか? ② 相手とどのような関係を求めているのか? ③ 自分が大切にしたいことは何か? 信頼関係をつくる出発点は、まず自分に聞くこと、です。 — location: [739](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=739) ^ref-64911
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④ 相手は何を求めているのか? ⑤ 相手はどのような関係を築きたいのか? ⑥ 相手が大切にしたいことは何か? — location: [754](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=754) ^ref-61306
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⑦ お互いの共通点は何か? ⑧ お互いが理解できていること、できていないことは何か? ⑨ お互いに学び、成長できることは何か? ⑩ お互いの関係をどう発展させていきたいか? — location: [765](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=765) ^ref-30389
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では、リーダーに求められる「新しい求心力」とは何でしょうか? それは、「場の声を聞く力」を持つこと です。 人の言葉を聞ける人が、これから影響力を持つリーダーになっていきます。 価値観の多様なメンバーが集まる現代型の会社組織においては、リーダー側の一方的な指示や命令ではチームワークを発揮させることは難しくなっています。 — location: [791](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=791) ^ref-8570
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メンバーが働いている場を俯瞰し、声なき声を聞きながら、メンバーが主体性を発揮できるよう、働きかけるリーダーシップが必要なのです。 — location: [797](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=797) ^ref-30739
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具体的には、リーダーがメンバー一人ひとりと対話の時間を取ることです。 時間は短くてもかまいません。 その際、「Good and New(よいことと、新しいこと)」を聞いてあげると効果的 です。 よいこと(Good) に意識を向けてもらうことで自己承認の機会となり、本人のやる気にもつながります。新しいこと(New) は、これからやりたいことに意識を向けてもらう問いかけです。 — location: [825](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=825) ^ref-54786
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人は自分の話を聞いて欲しいと思っています。 自分が聞いて欲しい話を聞いてもらうと、自分が受け入れられた(自分という存在が承認された) と感じます。 — location: [876](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=876) ^ref-8545
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このように相手の感情が動いていない場合には横の質問で相手の関心度を探り、感情が動いたところで縦の質問で深掘りすると、よい形で話が展開していきます。 — location: [1038](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1038) ^ref-30542
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なので、 優れた外交官は、相手との信頼関係を築くことを最優先 にします。 そのために行っているのが「自己開示」です。 「社会的浸透理論」 という心理学の法則では、「自己開示を通じて、相互理解を深めることにより、お互いの信頼が高まり、好意的な関係が築かれる」と言われています。 — location: [1192](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1192) ^ref-26202
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自己開示のコツは、お互いに秘密の扉を少しずつ開けていくこと。 — location: [1201](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1201) ^ref-29510
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関係性の構築の流れには次の4つのフェーズがあります。 — location: [1211](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1211) ^ref-57281
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① 基本情報の共有フェーズ — location: [1212](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1212) ^ref-32860
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② 接触回数を増やすフェーズ — location: [1215](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1215) ^ref-61481
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③ インフォーマル(秘事) な情報を共有するフェーズ — location: [1220](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1220) ^ref-3107
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④ 重要な情報を共有するフェーズ — location: [1224](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1224) ^ref-7908
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ところが、日々の仕事や周囲の環境に流されるままに生きていると、自分にとって何が大切で、何が大切でないかすら、意識せずに毎日を過ごしてしまいます。 知らず知らずのうちに、自分の価値観をないがしろにしたまま生きているのです。 これは、自分自身に対して不誠実な生き方をしているのと同じ。 自分に対して不誠実な人は、他者に対しても不誠実な対応をとってしまいます。 — location: [1257](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1257) ^ref-5853
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■ 自分を大切にする方法 — location: [1264](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1264) ^ref-58068
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まず、 ① 自分の価値観を知ること です。 — location: [1266](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1266) ^ref-52041
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次のステップは、 ② 価値観を具体的に定義すること です。 — location: [1268](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1268) ^ref-37659
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最後のステップは、 ③ 価値観を大切にするための行動をとる です。 — location: [1271](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1271) ^ref-40565
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信頼関係をつくるためには、相手を理解することはもちろん、その前に自分自身の理解を深める必要があるのです。 それは自分の価値観を知り、自分自身を大切にすること。 自分を大切にできない人が、他者を大切にすることはできないのです。 — location: [1281](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1281) ^ref-38451
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「相手から聞き出そうとしない」 これが、本音、情報を引き出す秘訣です。 — location: [1286](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1286) ^ref-6420
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相手に自然に話してもらう3つのスキル それは、「聞き出す」のではなく、「自然に話してもらう」です。 — location: [1300](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1300) ^ref-2980
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①「聞く力」 ②「関係性を築く力」 ③「与える力」 — location: [1303](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1303) ^ref-24257
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相手から情報を聞き出そうとしないこと。 相手から自然と情報提供してもらえるような関係性を築くこと。 — location: [1341](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1341) ^ref-9756
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相手の意図を明確にするには、 — location: [1356](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1356) ^ref-10710
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理解したつもりにならないこと」 — location: [1357](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1357) ^ref-39197
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【心の声を聞く質問】 ① もし、人生の最後を迎えたとしたら、やれなくて後悔することは何か? ② やりたくてもできなかった理由は何か? ③ 本当はどうしたかった — location: [1417](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1417) ^ref-12781
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これが「思考の焦点化」 です。 思考の焦点化が繰り返されると、思考がパターン(思考の癖) 化します。マイナス思考の人とか、プラス思考の人と言われるのは、プライマリークエスチョンによる影響を強く受けているのです。 — location: [1461](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1461) ^ref-3622
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世の中には「指示しても部下が動いてくれない」とか「教えても子供が言うことを聞かない」とかで悩んでいる管理職や親御さんが大勢いらっしゃいます。 そんな時大切なのは、的確に指示命令を下すことや、懇切丁寧に教えることではなく、「相手のことをしっかりと聞いてあげる」ことなのです。相手が今どんな状況なのか、どんな気持ちでいるのか、何の価値判断もせずにただただ聞いて — location: [1654](kindle://book?action=open&asin=B07LBNPCM7&location=1654) ^ref-52813
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