https://zenn.dev/mixi/articles/62aa5fe82d26e2 ## はじめに minimo事業部で EM をしている本間です。 ある日マネジメントの仕事に挑戦してみないかと言われてからはや半年が経過しました。 初めてのマネジメント職は想像以上に難しく大変なこともあったのですが、半年経ってこれはやって良かったと思うことを書いていこうと思います。 ## 経歴 & 自己紹介 2018年に新卒で MIXI に入社し、最初3年半は CRE (Customer Reliability Engineer) として Customer Support の業務改善を、その後新規事業に異動しサーバーサイドエンジニア兼プロジェクトマネージャー(何でも屋さん)として働いていました。 新規事業は最初のリリースからずっと携わっていたのですがユーザー数が伸び悩みサービス終了となり、2024年1月に minimo に入りました。 minimo に入って最初はサーバーサイドエンジニアとしてアプリ用の API を実装したりインフラの改善などに取り組んでいたのですが、チームに入ってから開発フローの改善提案をよくしていたりその時の組織状況もあったりでマネジメントの仕事に挑戦してみないかと言われました。 チームに入ってまだ数ヶ月で事業の全体像もサービスの仕様も見えていない中、しかも提案されたポジションは専門のサーバーサイドではなくアプリエンジニアの EM で、ついでに UI/UX デザイナーのチームも見てくれと言われ、今思えばかなりのチャレンジですが当時はこんな経験をできることもないだろうなと思い挑戦することにしました。 ## やってよかったこと ### マネジメントの仕事について体系的に学ぶ 過去のマネージャーを見てマネジメントの仕事のふんわりとしたイメージはありましたが、何をする仕事なのかがちゃんとはわかっていなかったので体系的にインプットしました。 このインプットは想像以上にちゃんとやって良かったと感じています。 マネージャーの仕事は想像以上に多岐に渡りますが、その中でどの仕事の優先度が高いかを見極めることはかなり難しいです。 領域も違えば、成果が短期で出るものも中長期で出るものもあり、幅広い業務をどう比較して優先度をつければよいのかは今でも苦労しているポイントです。 このような環境で仕事を進めるためにはそもそもマネジメントの仕事とは何なのかの理解がとても大切だと思いました。 インプットに関してはいろいろ本を読んだりネットで記事を読んだりしましたが、以下の2つが特に良かったです。 - [HIGH OUTPUT MANAGEMENT](https://www.amazon.co.jp/dp/4822255018) - [エンジニアリングマネージャ/プロダクトマネージャのための知識体系と読書ガイド](https://qiita.com/hirokidaichi/items/95678bb1cef32629c317) HIGH OUTPUT MANAGEMENTでは「マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット + 自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット」と定義されており、アウトプットを最大化させるためにマネージャーが何をすべきかが書かれていました。 この本はあくまでマネジメント職全般の話なので、EM に特化した話としては広木さんの記事が網羅的でとても参考になりました。 本のインプット以外には他のマネージャーにマネジメントの仕事は何だと思うかを聞いてみたことも勉強になりました。 これは単にマネジメントについて学べるだけでなく、自組織におけるマネージャーの役割・期待値を明確にするという意味でとても良かったです。 初めてのマネージャーだと何をどこまでやればよいのかがわからないことも多いと思うので、マネージャー間で期待値のすり合わせができたことはその後の進めやすさに大きく影響しました。 ### 毎週全員との 1on1 を実施する 次に実施して良かったと感じていることは毎週全員と30分の1on1を実施したことです。 マネジメントの仕事をする上でチームメンバーの理解は1番大事と言っても過言ではないと思います。 組織目標を達成する上で、チームメンバーの強み弱みは何なのか・今後目指しているキャリアや今身につけたい力は何なのか・今楽しく働けているのかといったことの把握は必須事項で、1on1はこれらを把握するためにとても有効な時間でした。 僕の場合チームメンバーが10人いるので1on1だけで毎週5時間使っているのですが、それだけの時間をかけてでもやって良かったと感じています。 1on1を毎週実施するとある時を境に話すことが無くなってくる感覚がありましたが、話すことが無くなった後に話すことがとても大事なことだと感じました。 雑談的な話の中からメンバーの本質的な部分が見えてきたり、キャリアなどは深掘った先でもう一段深掘ることで新しいものが見えてきたりと、話すことが無くなってきたときに 1on1 をやめるのではなく毎週実施し続けたことで得られたものがありました。 ### 振り返り会を実施する もう1つやってよかったことは振り返り会を実施することです。 最初に書いたように自分はアプリエンジニアのチームと UI/UX デザイナーのチームを見ていますが、デザイナーのチームで毎週振り返り会を実施するようにしました。 振り返り会を開催した理由は、自分がデザイナーの業務理解が浅いので良い感じにマネジメントできる自信がなく、チームの改善はチームメンバーに考えてもらうのが良いだろうと思ったからです。 振り返りの実施は特に自身が専門性の低い分野のマネジメントをすることになった時にかなり効果があると感じました。 具体的には以下のような学びがありました。 - 振り返りで出てきた項目をふかぼることで業務フローの理解とメンバーがどのようなことを大切にして働いているのかの解像度が上がった - 小さな改善をチームで自立して進められるようになり、他のグループが絡む大きめの改善だけ自分がリードすれば良い状態を作れた - 振り返りを続けると課題として出てくる項目の質が変わり、前に進んでいる実感を得られた & 自分のアクションの効果検証ができた 特に最後の効果が僕にとっては大きかったです。 初めてのマネジメントの仕事だったので自分の働き方がこれで良いのか全くわからない状態でしたが、チームが前に進んでいることを確認できたことで自信を持って進めることができました。 ## 最後に この記事ではいきなりマネージャーになり右も左もわからない自分がやって良かったことを紹介しました。 このような記事はネットには溢れていてみんないろんなことを言っているので何を参考にすれば良いかわからないと思いますが(僕はそうでした)、何か1つでもヒントになるようなことがあれば嬉しいです。